研究課題/領域番号 |
08454266
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
植物形態・構造
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
長濱 嘉孝 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 教授 (50113428)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
1997年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1996年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
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キーワード | 20β-HSD / ニジマス / 17α,20β-ジヒドロキシ-4-プレグネン-3-オン / アユ / メダカ / cDNA / 卵胞 / 精巣 / 配偶子成熟誘起ホルモン / 17α.20β-ジヒドロキシ-4-プレグネン-3オン / ステロイド-20β-水酸基脱水素酵素 / ノーザンハイブリダイジェーション / 生殖腺刺激ホルモン / 17α-ヒドロキシプロゲステロン / 20β-水酸基脱水素酵素 / サケ科魚 / 卵黄形成 / 20β-HSDmRNA |
研究概要 |
ステロイド20β-水酸基脱水素酵素(20β-HSD)は前駆体17α-ヒドロキシプロゲステロンを17α,20β-ジヒドロキシ-4-プレグネン-3-オンに転換する重要な酵素である。本研究ではまず、我々が先にクローニングしたブタの20β-HSD cDNAをプローブにアユ、メダカcDNAライブラリーから20β-HSD cDNAをクローニングした。次に、アユの20β-HSD cDNAをプローブにして、ニジマスの卵胞cDNAライブラリーより2種類の20β-HSD cDNA(A、B)を単離し、全塩基配列を決定した。両者がコードするアミノ酸の配列を比較した結果、AとBは3個のアミノ酸のみが異なることが判明した。また、ゲノミックDNAの解析から、2つの20β-HSD cDNAに対応する相異なる2つ遺伝子が存在することが明らかになった。クローンAを発現させたCOS細胞を17α-ヒドロキシプロゲステロンと培養すると17α,20β-ジヒドロキシ-4-プレグネン-3-オンが生成されたが、Bを発現したものではその発現は認められなかった。AのNADPH結合ドメインのアミノ酸配列はブタやアユの20β-HSD cDNAのものと同じであったが、Bでは15番目のIleがThrに変異していた。ノーザンブロットおよびRT-PCRの解析から、20β-HSD mRNAは卵巣や精巣を含む種々の組織に発現していた。次に、成熟直前のニジマス卵胞から分離した莢膜細胞と顆粒膜細胞をサケの生殖腺刺激ホルモン(GTH-II)とともにO-48時間培養した後、これらの細胞標品での20β-HSD mRNAの発現をAとBを用いたノーザンブロットで解析したところ、AとBは莢膜細胞と顆粒膜細胞のいずれにおいても発現がみられたが、生殖腺刺激ホルモンによる発現の促進はAクローンのみで認められた。したがって、Aが生殖腺刺激ホルモンによる17α,20β-ジヒドロキシ-4-プレグネン-3-オンの生成促進に重要な役割を果たしているものと結論される。しかし、BについてもAの発現調節に何らかの機能を果たしていることが考えられるので、今後さらに検討を加える必要があろう。
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