研究課題/領域番号 |
08455002
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大野 英男 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (00152215)
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研究分担者 |
大野 裕三 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (00282012)
松倉 文礼 (松倉 文ひろ) 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (50261574)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
1997年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1996年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | (Ga,Mn)As / キャリア誘起磁性 / 半導体量子構造 / RKKY相互作用 / 電界効果トランジスタ / (Ca,Mn)As / III-V族化合物半導体 / 希薄磁性半導体 / 分子線エピタキシャル成長 / 強磁性体 / 超格子構造 |
研究概要 |
これまでにIII-V族半導体をベースにした希薄磁性半導体(In,Mn)As、(Ga,Mn)Asの成長が分子線エピタキシの低温成長で可能であって、さらにp形の試料では低温で正孔誘起の強磁性が現れることを確認した。 しかし、これらの正孔誘起磁性の起源をはじめとしてIII-V族希薄磁性半導体の磁性とキャリア濃度・Mn濃度との関係、またそれらと結晶成長条件との関連は解明されておらず、またド-ピングや電界効果などによるIII-V族希薄磁性半導体の磁性の制御の可能性も追求されていなかった。 本研究は、以上の背景の下に、我々が開発した強磁性III-V族希薄半導体(Ga,Mn)Asを用いて、磁性とキャリア濃度・Mn濃度の関係、量子構造の作製、更にキャリア濃度で磁性を制御する可能性を探求することを目的として行われた。 本研究の成果概要は以下の通りである。 1.Mn組成を変えた(Ga,Mn)Asの磁気輸送特性・磁気特性を調べ強磁性転移温度と生孔濃度のMn組成依存性を明らかにした。強磁性転移温度はMn濃度0.05以下では組成に比例して増加し、これまでに得られている最高の強磁性転移温度は110Kである。 2.(Ga,Mn)As/(Al,Ga)Asの強磁性半導体/非磁性半導体超格子構造・量子構造の作製が可能であり、これらの構造においても強磁性的性質が保たれる。 3.常磁性領域での抵抗率の磁場依存性と強磁性転移温度から、(Ga,Mn)Asの強磁性秩序の起源がRKKY相互作用であることを明らかにし、キャリア濃度と強磁性転移温度の関係に対する知見を得た。 これらのことは、キャリア濃度を制御することにより、磁性を制御できること、またヘテロ接合及び量子構造を利用した電界効果トランジスタ等のデバイスの可能性が開けたことを示すものである。
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