研究課題/領域番号 |
08455042
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用物理学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
菊田 惺志 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00010934)
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研究分担者 |
中山 貫 通産省, 工業技術院・計量研究所, 主席研究員
依田 芳卓 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (90240366)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
1997年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1996年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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キーワード | X線干渉計 / X線光学 / 垂直入反射条件 / 可干渉距離 / X線核共鳴散乱 / 動力学的回折理論 / 水晶 |
研究概要 |
ふつうに単色化して用いるX線の可干渉距離は10〜100μmであるので、X線干渉計として二光路が等しいボンゼ・ハート型のものが広く利用されている。しかし最近、大強度のX線源であるシンクロトロン放射による核共鳴散乱線を利用すると、可干渉距離がメートルのオーダーになるので、光路差のある干渉計も実現可能になった。 本研究では核共鳴散乱X線を用いて光路差のある新しいタイプの干渉計を設計・製作することをめざした。干渉計は回折面が表面に平行な結晶板を2枚平行に配置したもので、入射線はその結晶板の間で垂直入反射を繰り返し起こさせ、干渉を得る。^<57>Feによる核共鳴散乱線を想定するとエネルギーは14.4KeVとなる。入射線は垂直入反射条件を満たす必要があり、完全性の高い結晶の中から探すと水晶の(0610)面が最良の候補であることを見出した。 水晶からなる新型の干渉計を実現するためにつぎのような基礎実験を放射光を用いておこなった。水晶(0610)面への入射に対する反射・透過特性を調べた。つぎにその格子面間隔を(0610)面の垂直入反射条件下でシリコン結晶との組合せから高精度で決定し、水晶をおよそ85℃に加熱すればよいことが分かった。また、水晶の完全性をSi(1240)と水晶(0610)の組合せによる平行に近い二結晶配置を用い評価した。ロッキングカーブを測定し計算曲線に近いプロファイルを得た。そのトポグラフからも完全性の高いことが判明した。さらに水晶からなるボンゼ・ハート型干渉計を作製したが、結晶の加工処理上の問題が残り、明確な干渉像は得られなかった。加工処理法の改良により干渉が見られると思われる。最後に垂直入反射型のX線干渉計を用いた結晶構造因子の位相を決定する方法を提案した。これは従来の方法と異なり、X線光学的な新しい手法である。
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