研究課題/領域番号 |
08455043
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用物理学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
早川 禮之助 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00011106)
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研究分担者 |
木村 康之 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (00225070)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
1997年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1996年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | 白色雑音 / 非線形応答理論 / 非線形緩和スペクトル / ダイナミックス / 電気光学応答 / 強誘電性液晶 / 非線形応答 / 緩和スペクトル / 多時間応答関数 |
研究概要 |
高分子・液晶などのソフトな物質系ではその外力に対する応答が容易に非線形となるために、非線形緩和スペクトロスコピーがダイナミックス測定法として有用でであることに着目して、我々は制限波電場入力を用いた周波数域非線形緩和測定法の開発・研究を進めてきた。しかし、この方法では非線形のスペクトルの全貌を得るためには周波数を変化させて測定を繰り返す必要があり、また、電場強度の高次応答による低次応答への影響を取り除くためにスペクトルの入力電場振幅依存性を測定する必要があるために、一回の測定に多くの時間を要する難点がある。 本研究ではこれに代わってWienerによる白色雑音入力に対する非線形の応答理論に基づき、入力信号として白色雑音電場を用いることによって、広い時間スケール・広い周波数範囲での多時間応答関数および非線形緩和スペクトルのリアルタイム測定の実現を目指し、疑似白色雑音入力を用いた非線形緩和スペクトル測定システムの開発を行った。さらに、開発されたシステムを用いて、非線形回路および強誘電性液晶の非線形スペクトルの測定を行った。非線形回路の場合には線形・非線形いずれの緩和スペクトルも極めて短時間の積算の結果、良好なスペクトルを得ることができたが、強誘電性液晶の非線形スペクトルはFFTの分解能の不足等のために、長時間の積算にもかかわらず、不完全なスペクトルしか得られなかった。 さらに、本研究では、周波数域非線形電気光学スペクトロスコピーを開発し、強誘電性・反強誘電性液晶に適用することでそのダイナミックスに関して新たな知見を得ることに成功した。 以上のように本研究では、新たに開発された非線形緩和スペクトロスコピーを実際のシステムに適用することにより、その物性診断法としての有用性を示すことができた。
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