研究課題/領域番号 |
08455044
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用物理学一般
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
濱崎 勝義 (濱さき 勝義) 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (40143820)
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研究分担者 |
王 鎮 郵政省, 通信総合研究所, 室長
WANG Zeng Nagaoka University of Technology, KARC,Communication Resarch Laboratory, M.P.T.
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1997年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1996年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
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キーワード | 準一次元超伝導細線 / 電子 / ホールの位相共役反射 / Andreev反射 / 電磁波誘起ステップ / サブミリ波帯デバイス / 超伝導量子細線 / 電子波デバイス / 固体内ファブリー・ペロ-共鳴 |
研究概要 |
超伝導体-準一次元細線-超伝導体接合は、細線(超伝導ギャップによる量子井戸を形成)内で電子/ホールが位相共役反射する一種のファブリー・ペロ-共振器となる興味深いデバイスである。そのサイズが電子の平均自由行程(Nb(bulk)≦15nm)よりも小さな細線内の位相共役波と外部電磁波との相互作用は、現在理論検討されているが実験はまだ殆どなされていない。10nm程度のサイズの金属細線は先端の電子ビーム露光法でも作成困難な現状から、本研究では絶縁特性をもつ超伝導体/絶縁体/超伝導体構造内での4.2K電界蒸発法を用いて金属細線を作成している。これは走査電子顕微鏡(STM)マニュピレーション技術の薄膜版と言える。デバイスの準粒子電流特性はBogoliubov方程式に基づく理論解析結果と良く一致し、またそのノイズ特性にいても明らかにできた。その他、本研究で見いだした興味ある物理は、1つは理論的には予想されている状態密度の離散化である。これは電流-電圧特性の一次微分特性(T=0では状態密度に相当する)における超伝導ギャップ電圧(3mV:周波数1.5THzに相当)以上で明確な周期的微分コンダクタンスピークとして現れる。このピークのエネルギー間隔は細線径を10nm程度としたきの状態密度の離散化に相当する計算値に一致しており、超伝導金属細線構造で実験的に初めて示したものである。電磁波特性については、rf-電流とconstrictionを流れるAndreev電流との相互作用に起因すると考えられるこれまで報告例の無い新しい電磁波誘起ステップを見いだしている。このステップは従来のトンネル型素子、弱結合部のサイズの大きなブリッジ型素子、或いはトンネル電流とメタリック電流の混在した点接触型素子で見られていた現象,即ちShapiroステップやサブギャップ電圧周りでのフォトン誘起ステップ(Photon assisted steps)等とは全く異なる特徴を有しており、Shapiroステップ等より強い非線形性をもつことからサブミリ波帯デパイス応用上有用である。
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