研究課題/領域番号 |
08455061
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機械材料・材料力学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
北川 浩 大阪大学, 工学部, 教授 (30029095)
|
研究分担者 |
尾方 成信 大阪大学, 工学部, 助手 (20273584)
中谷 彰宏 大阪大学, 工学部, 助教授 (50252606)
|
研究期間 (年度) |
1996 – 1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
1997年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1996年度: 6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
|
キーワード | 材料強度 / ぜい性 / 延性遷移 / 分子動力学法 / 原子間顕微鏡 / セラミックス材料 / 粒界変形機構 / き裂の干渉 / 微小硬度 / ナノメカニズム / 非分離相対運動 / 転移運動 / 分子2重膜 / ミスフィット / 原子間力顕微鏡 |
研究概要 |
1.破壊過程は、マクロ的視点から見ると、外部から系に持ち込まれたエネルギの局所的な解放・緩和過程であるので、ぜい性/延性遷移現象には、系に蓄えられたエネルギの絶対量と引き起こされる変形領域の大きさの依存性があるとの視点から行った検討により、次の結果を得た。 ・現象の基本的な特性を把握する目的で行った、SiC単結晶とSi3N4多結晶に対する圧子の極微小押し込み試験結果によると、圧痕の先端(角)のき裂発生には閾値があり、それは圧痕寸法を基準として約1μmである.これより高脆材料に見られる延性-ぜい性遷移現象は、複合き裂の相互作用/相互反応による緩和過程と考えられる。 ・離散転位法を用いて行った、金属結晶体のき裂先端に形成される転位構造についての解析結果より、不動転位を生じることによる応力の遮へい効果が見られ、それがき裂を見かけ上ぜい化させていると考えられる。従って、ぜい性-延性遷移現象にはき裂先端部に形成される転位構造の解明が重要である。 ・均質化法を用いた有限要素法により、マクロき裂とミクロ的構造欠陥のモデルとしてのミクロき裂の干渉効果の解析を行い、マクロき裂先端の応力拡大係数はミクロき裂先端の最大のものよりも大きくなる結果を得た。これより、ミクロき裂の合体によりより大きなサイズのき裂が発生すれば、必然的にぜい性的な破壊につながると推定される。 ・アモルファス中に存在するき裂先端の原子構造変化の解析結果から、局所的変形硬化(強化)機構は存在しないこと、従って、ぜい性-延性遷移現象は見られず、結晶体と同程度の延性を持つもののぜい性的な破壊を生じる結果になることが明らかになった。 2.介在物による局所変形のモビリティの拘束や、侵入/置換形の異原子の存在によって生じる原子間結合力の変化が引き起こす延性/ぜい性遷移現象について、Siを含むAl粒界、AlN/Al界面を例として密度汎関数理論に基づく第一原理解析を行い、電子密度分布から局所的な原子間結合力の変化を分析すると共に、マクロ的な特性(応力-ひずみ関係)の評価を行った。
|