研究課題/領域番号 |
08455075
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機械工作・生産工学
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
稲村 豊四郎 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (60107539)
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研究分担者 |
武澤 伸浩 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (50236452)
島田 尚一 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教授 (20029317)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
1997年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1996年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
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キーワード | 分子動力学 / 繰い込み / 逆繰い込み / シミュレーション / 切削 / 脆性 / 破壊 / 雰囲気 / 繰り込み / 逆繰り込み / ぜい性延性遷移 |
研究概要 |
本研究で得られた成果は以下の通りである。 1.原子系を原子クラスタの集合と見なし、更に長さスケールの再規格化を行なってクラスタ系を原子系のごとく扱い、これに分子動力学を適用する繰り込み変換分子動力学を開発した。 2.繰り込み変換分子動力学によるシミュレーション結果の局部を、再度ズ-ミングしてシミュレートする逆繰り込み変換分子動力学を開発した。更に両者を統合して繰り込み群分子動力学とした。 3.繰り込み群変換分子動力学により、Si単結晶のμmスケールの切削シミュレーションを行なった。その結果、Siは延性的に削れるものの、切削中の工具逃げ面下では、アコースティックエミッションによる動的な力で、微細なき裂が断続的に生成消滅を繰り返していることが判明した。 4.上記3.と同様のシミュレーションを単結晶Cuに対して行なったところ、Siの場合のような微細なき裂は現れなかった。 5.上記3.の結果をもとに、微細き裂が生成される際に雰囲気分子が侵入し、クラスタ間相互作用が弱まるとして再度切削シミュレーションを行なったところ、ぜい性モード切削となった。この事実から、少なくとも無欠陥単結晶Siのぜい性発現には、雰囲気の影響が決定的に重要であることが判明した。 6.上記5.におけるクラックの成長に必要なエネルギは、Si内に蓄積されていた弾性ひずみエネルギの解放により供給される。Cuの場合、開放されるべきエネルギの蓄積がないこと、及び開放の引金になる微細き裂の生成がないことの二重の意味で、延性的性質を示すことが明らかとなった。
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