研究課題/領域番号 |
08455082
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
設計工学・機械要素・トライボロジー
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大前 伸夫 大阪大学, 工学部, 助教授 (60029345)
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研究分担者 |
志村 考功 (志村 孝功) 大阪大学, 工学部, 助手 (90252600)
田川 雅人 大阪大学, 工学部, 助手 (10216806)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
1997年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1996年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
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キーワード | 原子状酸素 / トライボロジー / 宇宙環境 / 二硫化モリブデン / シナジ- / 紫外線 / 低地球軌道 |
研究概要 |
本研究ではイオンビーム型ならびにレーザーブレークダウン型の原子状酸素発生装置を用いて、低地球軌道環境における高分子系および二硫化モリブデン系潤滑剤のトライボロジー特性について、特に複数の環境因子の複合効果(シナジ-)に着目し研究を行ったものである。その結果、以下のようなことが明らかになった。 (1)二硫化モリブデン系スパッタ膜の有機バインダーとして用いられるポリイミド系の高分子は、これまで原子状酸素と紫外線のシナジ-は認められないとするのが定説であったが、本研究では反応生成物である二酸化炭素の生成イールドは紫外線同時照射時に増大することが示された。これは本実験においては原子状酸素のフラックスが比較的小さいために相対的に紫外線照射の効果が大きく現れたものと考えられ、反応のフラックス依存性が存在することを示唆している。 (2)原子状酸素を高分子に照射すると一般に質量低下が認められるが、イオンビーム型原子状酸素発生装置を用いた実験では質量の増加が認められた。これもビームフラックスが小さいことによる表面反応初期のノンリニアな効果が現れたものと考えられ、高ビームフラックスでの同様な実験により今後詳細を明らかにしてゆく必要があると考えられる。 (3)二硫化モリブデン単結晶を原子状酸素に曝露すると、反応により一酸化硫黄が形成され表面から離脱してゆくことが確認された。その他の硫黄酸化物は検出されず、ほぼ単一の反応経路で表面酸化反応が進行してゆくことが示明らかになった。その結果、表面の硫黄濃度は減少し、スタートアップ時の摩擦力が増大することが示された。また摩擦トラック内ではアブレーションにより酸化膜が除去されるため、摩擦係数の回復が生じることも確認された。
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