研究課題/領域番号 |
08455084
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
設計工学・機械要素・トライボロジー
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
兼田 禎宏 (兼田 もと宏 / 兼田 〓宏) 九州工業大学, 工学部, 教授 (90039123)
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研究分担者 |
西川 宏志 九州工業大学, 工学部, 助手 (40208161)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1997年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 膜厚 / トラクション / ジウレアグリース / 増ちょう剤 / 表面粗さ / 弾性流体潤滑 / 機械要素 / トライボロジー / グリース / ウレア構造 / 転がり軸受 / 光干渉法 |
研究概要 |
増ちょう剤構造が判明しているジウレアグリースを用い、EHL膜挙動の直接観測を二色光干渉法を利用して実施し、グリースEHL膜の形成に影響する諸因子の役割を明確にするとともに、グリースEHL膜の形成機構解明の基盤を確立した。すなわち、増ちょう剤構造が、グリースEHL膜の形成ならびにトラクション特性に決定的影響を持つことを明確に示すとともに、増ちょう剤構造とグリース潤滑の関係に対して新しいモデルを構築した。つまり、芳香族グリースは短繊維増ちょう剤が基油に浮かんだ構造をしており、脂肪族グリースは互いに絡まった繊維構造の中に基油が補足されている構造を持ち、脂環族グリースは両者の中間構造を持つと考えることによって実験事実が合理的に説明できることを示した。その他の重要な新知見は以下のようにまとめられる。 1. 同一増ちょう剤含有率を持つグリースEHL膜厚は、脂環族、芳香族、脂肪族の順に薄くなる。 2. 膜厚は増ちょう剤として脂肪族ジウレアが存在すれば薄くなる。 3. 同一増ちょう剤構造の下で比較すれば、平均グリースEHL膜厚は、基油粘度の増加とともに厚くなる。 4. 最大膜厚は増ちょう剤によって、最小膜厚は基油によって規定される。 5. 増ちょう剤による潤滑面付着層の形成はEHL膜の平均厚さの増大をもたらす。 6. 相対運動は増ちょう剤付着層の生成と剥離に寄与するが、その程度は増ちょう剤構造に依存する。 7. 接触面に付着した増ちょう剤の小塊は、あたかも、固形突起として挙動する。 8. 油量不足の発生は増ちょう剤構造並びに基油粘度に依存する。 9. トラクション係数は脂肪族が最も低く、次いで脂環族、芳香族が最も高い。 10. 脂肪族ウレアを含むグリースのトラクション係数は低い。 11. グリース膜に及ぼす直交溝あるいは突起の影響は、それらが鉱油に及ぼす影響と基本的には同じである。
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