研究課題/領域番号 |
08455092
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
流体工学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中村 喜代次 大阪大学, 工学部, 教授 (30029178)
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研究分担者 |
山本 剛宏 大阪大学, 工学部, 助手 (40252621)
保田 和則 大阪大学, 工学部, 助手 (80239756)
森 教安 大阪大学, 工学部, 助教授 (30124069)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
1997年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
1996年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | 液晶高分子 / コーティング / 配向膜 / 数値シミュレーション / Doiモデル / バンドテクスチャー / 原子間力顕微鏡 / モルフォロジー / テクスチャー / リビング / 自由境界 |
研究概要 |
ヒドロキシプロピールセルロース(HPC)の水溶液およびエタノール溶液を用いて、コーティング膜を成形し、膜の特徴を調べるとともに、低分子液晶との相互作用を検討し、配向膜としての可能性を探った。得られた結果を以下に示す。 (1)膜成形時に膜の表面にリビングが発生した。コーティング速度が大きいほど、膜厚が小さいほど、リビング数は多くなった。 (2)液晶相から成形した膜では、膜圧が小さく、コーティング速度が大きい場合には、顕著なバンドテクスチャーが見られた。 (3)低分子液晶である5CBの液滴を膜に滴下し、偏光顕微鏡下で観察したところ、等方相から作った膜であっても、膜厚が小さく、コーティング速度が大きな場合に、液滴に顕著なディスクリネーションラインが見られ、膜表面で5CBが一方向に配向していることが明らかとなった。逆に、溶液濃度が低く、膜厚が大きく、コーティング速度が小さいときには、膜表面で5CBはランダム配向している。 (4)原子間力顕微鏡で膜表面のモルフォロジーを測定した結果、50wt%水溶液の膜表面にはバンドテクスチャーに対応した顕著な凹凸が見られた。しかし、その他の濃度の膜には5CBの配向と関連した特徴ある構造は見られなかった。 (5)Doiモデルによる紡糸流れのシミュレーションの結果、膜表面近傍では伸長流れによって分子配向が膜表面方向に揃うことが明らかとなった。この現象は、コーティングにおいても存在することが予想された。 (6)以上のことから、流動による分子配向が乾燥により膜のごく近傍で固定化された結果、配向したHPC分子と5CB分子の分子間相互作用により5CBが配向したものと考えられる。
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