研究課題/領域番号 |
08455093
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
流体工学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
坂口 忠司 神戸大学, 工学部, 教授 (50031076)
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研究分担者 |
細川 茂雄 神戸大学, 自然科学研究科, 助教授 (10252793)
冨山 明男 神戸大学, 自然科学研究科, 助教授 (30211402)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1997年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1996年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
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キーワード | 気液二相流 / 二相流モデル / 流動様式 / 統計変動量 / 空間発展 / 垂直管 / 気泡流 / スラグ流 / 流動様式遷移 / 統計的変動量 |
研究概要 |
本研究では、鉛直管内気液二相流を対象として、これまで実験データが不十分であった遷移領域を含めた全流動様式範囲で、統計平均量と統計変動量を測定し、流動様式間の遷移条件、遷移機構を明らかにするとともに、実験データに基づく数理モデルを用いて全ての流動様式を網羅した一次元非定常気液二相流の予測モデルを構築することを目的とする。 鉛直管内の流動様式は、気泡流からスラグ流を経て環状流へと遷移するが、環状流領域では従来から用いられている三流体モデルが適用できることを確認した。次に、気泡流からスラグ流については流動様式の遷移条件自体が不明であるため、実験的に鉛直管内未発達気液二相流に関する基本的情報を収集と、気泡流からスラグ流への遷移現象を予測可能な計算手法の構築を行った。 実験では、気泡流からスラグ流への遷移現象や気泡同士の合体など、モデリングに利用できる基本的情報の収集を行った。特に、気泡の集合化(気泡クラスター形成過程及びその構造)、気泡合体過程、気泡クラスターからTaylor気泡への成長過程、大気泡下部の伴流構造等に関する情報を実験的に収集した。また、気相体積率(ボイド率)及び圧力の空間発展と統計変動が測定可能な実験装置を作成することにより、統計平均値だけでなく変動量に関する実験データベースも蓄積すると共に、ボイド率と圧力の相関関係に関して考察した。 以上の実験より得られた情報と従来の知見から、気泡流からスラグ流への遷移を模擬するためには、気泡の半径方向分布を無視できないことが判明した。そこで、本研究では、一次元の方程式系に気泡の半径方向分布をサブグリッドモデルとして導入した一次元気液二相流モデル(擬二次元気泡追跡法)を構築した。本手法は、半径方向の情報をサブグリッドモデルとして計算負荷の低減を図っているため、高速パーソナルコンピュータでほぼ実時間で解析を進められる。本手法で予測された流動様式発展は、静止液中、層流液流中、乱流液流中に対して実験結果とよく一致し、未発達気液二相流の実時間予測が可能であることを確認した。また、本解析手法が、時間平均ボイド率だけでなくボイド率の統計平均量も高い精度で計算できることを確認した。 本研究で開発した擬2次元気泡追跡法と三流体モデルのセットが、全ての流動様式に適用できる垂直管内非定常気液二相流モデルとなる。
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