研究概要 |
本研究では,感度解析を用いることにより,サーボ系と構造系の設計変数を最適化する方法を提案した.本手法では,構造系のモデル化にはFEMを適用し,モード座標を用いてモデルの低次元化を行う.そして,着目する固有モードを採用し,それ以外の固有モードを全て省略することによって,システムを低次元化し制御系を形成する.ここでは、2種類のコントローラーを採用し制御系を構成する.すなわち、一つは動的補償器を用いた制御系、もう一つはLQI制御系である.他方,無視した固有モードを含むより高次までの固有モードを用いて,モード座標に変換したシステムを実システムとして採用する.そして,先に得られた制御則を実システムに適用し,サーボ性能および実システムの安定性が保障されるように,制御系及び構造系を同時に最適設計する.最適化を実行する際の設計変数としては,動的補償器を用いた制御系の場合、動的補償器のパラメータ,比例ゲイン,およびFEMモデルの板厚を採用し,LQI制御系の場合、二次形式評価関数の重み行列、およびFEMモデルの板厚を採用する.そして感度解析と非線形計画法によりそれぞれの設計変数の同時最適化を実行する.その最適化を実行する為に閉ループ系の極の感度解析理論を本研究で展開する.そして,簡易構造物の位置決め制御に本手法を適用し,制振特性をシミュレーションおよび実験により調べ,本手法の有効性を検証した.
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