研究課題/領域番号 |
08455148
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
田口 常正 山口大学, 工学部, 教授 (90101279)
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研究分担者 |
山田 陽一 山口大学, 工学部, 助教授 (00251033)
篠塚 雄三 山口大学, 工学部, 教授 (30144918)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
1997年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1996年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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キーワード | 窒化物半導体 / 混晶半導体 / 分子線エピタキシ-法 / 励起子 / 局在化 / 等電子不純物 / 自己束縛 / 誘電放出 / 誘導放出 / RF放電 / ドナー束縛励起子 / マイクロ波プラズマ / ラジカル源 |
研究概要 |
従来の半導体材料と比較して結晶中に含まれる欠陥密度が桁違いに高い(10^8〜10^<10>cm^<-2>)にもかかわらず、可視短波長領域で高効率な発光を呈する窒化物系半導体、特に、その混晶半導体の発光機構を解明することを目的として、GaN薄膜およびIn_XGa_<1-X>N薄膜の励起子光物性の評価を行った。 (1)RF-MBE法により過剰Ga供給条件下でGaN薄膜の成長を行った場合、発光強度が従来のものと比較して約一桁以上強い励起子系発光が観測された。この励起子系発光の温度依存性を測定したところ、低温から約150Kまでの温度領域で、通常のバルク結晶における自由励起子や束縛励起子、あるいは不均一系における局在励起子の振る舞いでは説明できない特異な温度依存性が観測された。この実験結果を説明する一つのモデルとして、結晶中の欠陥の周りに誘起される局所的な格子歪により励起子の自己束縛が生じている可能性を指摘した。 (2)In_<0.08>Ga_<0.92>N混晶薄膜に関して、低温で近紫外域(約384nm)に観測される単一の幅広い発光帯(半値幅38meV)は、その発光スペクトルの温度依存性の測定結果より、2つの発光成分から成ることを明らかにした。また、この試料を高密度に励起すると、低温から室温に至るまで、その低エネルギー側の発光成分から誘導放出が現れることを確認した。この低エネルギー側の発光成分の起源については、混晶薄膜中のInクラスターに起因した励起子の外因性自己束縛モデルにより説明した。 (3)In_XGa_<1-X>N混晶薄膜にSiを添加することにより、その発光特性が大きく改善されることを見出した。Siドナーの濃度が2×10^<18>cm^<-3>の試料では、その近紫外発光の発光強度は無添加の試料と比較して一桁以上強く、Siドナーの添加によりキャリアの非輻射再結合過程による消滅を抑制できることを明らかにした。
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