研究課題/領域番号 |
08455152
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
青柳 克信 理化学研究所, 半導体工学研究室, 主任研究員 (70087469)
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研究分担者 |
蓮見 真彦 東京農工大学, 工学部, 助手 (60261153)
野村 晋太郎 理化学研究所, 半導体工学研究室, 研究員 (90271527)
趙 新為 理化学研究所, ナノ電子材料研究チーム, フロンティア研究員 (50260211)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
1997年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1996年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
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キーワード | ナノ微結晶Si / 青色発光 / 量子サイズ効果 / Siレーザー / 光通信 / レーザー / 量子ドットシステム / optical communication |
研究概要 |
1. 結晶サイズに依存したナノ微結晶Siの青色発光--本研究では、高純度のアモルファスSi薄膜の中にErを添加し、Erを結晶の核にしてnc-Si材料を作製するプロセスを開発した。この方法ではErの添加濃度を制御することによりSi微結晶のサイズが制御でき、結晶サイズを変えずに結晶相のシェアを増やすこともできる。本研究では、結晶サイズ2.7nmから15nmまでの試料が制御性良く製作できた。結晶サイズ10nm以下の試料では、室温の青色発光とEr発光が観測されている。この青色発光は結晶サイズの減少に従い高エネルギー側ヘシフトする傾向を示しているが、そのシフト量が水素終端したSiドットの理論計算値より少なく、平均結晶サイズが10nmのnc-Si試料でも青色発光が観測されている。この結果はナノ微結晶Siにおける新しい量子サイズ効果により説明される。 2. ナノ微結晶Siの吸収と反射スペクトルにおける量子サイズ効果--本研究では結晶サイズか制御されたナノ微結晶Si薄膜の吸収と反射スペクトルを測定した。ナノ微結晶Siの吸収も反射もSiナノ微結晶の結晶サイズの減少に従い、高エネルギー側ヘシフトする。そのシフトは次の理論計算を良く一致する。この結果はSiなの構造における量子サイズ効果のはじめての証明である。 3. Siナノ微結晶内の量子サイズ効果の理論解析--ナノ微結晶Si材料は微結晶とアモルファス相が混在する系であり、量子サイズ効果により、結晶相に電子の共鳴状態ができる。これらの共鳴状態間の直接遷移が青色発光の起源である。今までの理論計算はSiナノ微結晶のような原子が数千個の系では有効性を失う。本研究では量子ドットモデルを提案し、Si原子を10万個も扱うことができる新しい計算法を開発し、ナノ微結晶Si材料の電子状態を明らかにした。 4. Er添加ナノ微結晶Siレーザーの作製--本研究では、Si基板上にEr添加ナノ微結晶Siの光り導波路を作製し、それをヘキ開して光り共振器を作製し、1.54μmの室温レーザー発振を実現した。この結果はSiを用いた発光素子研究の大きなブレークスルーであり、Applied Physics Letters誌のレフリーからSiをベースにした光りエレクトロニクスの一里塚になると称された。
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