研究課題/領域番号 |
08455218
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地盤工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
龍岡 文夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70111565)
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研究分担者 |
小高 猛司 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (00252271)
吉嶺 充俊 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (80251338)
古関 潤一 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (30272511)
東畑 郁生 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20155500)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
1996年度: 7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
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キーワード | クリープ変形 / セメンテイション / 地盤材料 / 移動硬化則 / 三軸試験 / 弾性変形係数 / 小ひずみ変形係数 |
研究概要 |
原位置で初期せん断力を長期に亘り受けた広範囲な種類の地盤材料の載荷開始後の小ひずみレベルでの変形係数を、室内せん断試験により詳細に調べた。地盤材料としては、砂、粘土、礫、堆積軟岩、セメント改良砂と広範囲に選定した。三軸試験では、誤差の無い軸ひずみを0.001%以下から供試体側面で局所的に測定した。 その結果、次のことが明らかになった。 1)セメント改良砂以外では、一定のせん断応力の作用下でクリープを生じた後、kinematicな降伏特性(移動硬化則)を示し、再載荷直後には変形がほぼ弾性的になる。その後、クリープ変形前の初期応力・ひずみ関係に復帰する傾向がある。一部の試験結果は、初期応力・ひずみ関係を飛び越える傾向も示した。クリープ変形後の再載荷時の降伏前の変形係数に及ぼすひずみ速度の影響は、同一のせん断応力レベルでクリープ変形を生じない場合よりも遙小さくなる。このことは、等方圧密した供試体を用いた異なるひずみ速度での単調載荷試験結果から、応力レベルの関数としてひずみ速度の影響を定式化して、その結果を直接長期異方圧密された供試体に適用できないことを意味している。 2)あるせん断荷重を受けた後に除荷すると、クリープ率は低下するが、硬質地盤材料では、除荷率が高くなるほどcreep recovery(弾性余効)現象が生じる。これは、除荷時にひずみ速度が小さいほど割線剛性が低下する原因である。 3)セメント改良砂の場合、異方応力状態で軸ひずみを固定して放置すると、再載荷後、剛性がほぼ弾性となっている応力範囲が明確に現れる。これは、ある応力状態での砂の構造を強化する形でセメントの水和反応がためと思われる。再載荷を継続すると、セメンテイションの無い場合よりも急激に降伏して元々の応力・ひずみ関係に復帰する。 以上の事実は、殆ど全ての地盤材料において、原位置で異方応力状態にある地盤材料の変形・強度特性を室内実験で再現する為は、異方圧密中のクリープ変形により弾性或が形成されることを考慮する必要があることを示している。
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