配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1997年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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研究概要 |
鉄骨建築物のラーメン骨組では,一般に梁継手部を高力ボルト接合とするため,この部分にはボルト孔による断面欠損が存在しているが,曲げを受ける梁継手に与える影響については,その力学性状が明らかとなっていない.8年度は基礎的な段階として,梁にボルト孔1列を設けた試験体を用いて純曲げによる単調載荷を行い,次の段階として9年度は,より現実に近い形式として多列のボルト孔を有する試験体および高力ボルト摩擦接合継手を有する試験体を用いて,純曲げによる漸増繰り返し載荷を行った。10年度は一連の研究をまとめる最終段階として、地震時における実際の構造物の挙動を確認しておくことを目標にして,梁継手接合部が梁端部の塑性化領域にありモーメント勾配を受ける場合を想定した正負漸増繰り返し載荷を行った。実験の結果から,断面欠損大きくなると耐力上昇率,塑性変形能力はともに小さくなるが,欠損が25%程度まではその影響はあまり顕著ではないことが明らかとなった.また,断面欠損部が塑性化領域にあり曲げモーメント勾配を受ける場合の梁継手接合部の挙動は純曲げ領域にある場合と比べて特に問題となる点はみられなかった.ただし,いわゆる第1ボルト位置である断面欠損部分が仕口部に極端に近い場合は,応力集中が最も大きいスカラップ部分からの亀裂が断面欠損部に発展することによって,危険断面となる可能性があることが判明した.
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