研究課題/領域番号 |
08455311
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
複合材料・物性
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
高田 潤 岡山大学, 工学部, 教授 (60093259)
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研究分担者 |
中西 真 岡山大学, 工学部, 助手 (10284085)
藤井 達生 岡山大学, 工学部, 講師 (10222259)
平岡 裕 岡山理科大学, 理学部, 教授 (70228774)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
1997年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
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キーワード | Mo合金 / 分散強化 / 微細TiN粒子 / Mo_2N / 窒化処理 / 透過電子顕微鏡観察 / マイクロ双晶 / 結晶方位学的関係 / Mo材料 / 粒子分散強化 / アンモニア窒化 / Ti窒化物粒子 / Mo窒化物 / 硬さ / TEM観察 / 成長速度 |
研究概要 |
高融点金属の1つであるMo材料は、熱源ヒ-タ、熱処理トレイ、X線管球など耐熱材料として利用されているが、さらに広範囲に用いられるためには高強度化が強く望まれている。 本研究は、窒化処理によって形成する表面Mo窒化物層での高硬度化と、Mo-Ti合金の優先窒化を利用したMoマトリックス中への微細TiN粒子の分散析出による高強度化を狙ったものである。特に、我々の25年に及ぶ合金の優先酸化・窒化の研究から、従来の窒化温度よりもはるかに低い温度で窒化することによって、ナノスケールの超微細TiN粒子の分散析出した新しいMo系複合材料を基礎的かつ系統的研究に基づいて創製を試みた。その結果幸運にも、従来材料よりも驚異的に高強度な新規Mo系複合材料の開発に成功した。以下に具体的成果を示す。 純MoとMo-0.5および1.0wt%Ti合金を従来(1300℃以上)より低い1100℃でNH_3ガス窒化し、窒化挙動、硬さ分布、透過電子顕微鏡による微細構造と結晶学的関係を検討した。 1.試料表面に形成するMo窒化物層の成長機構を明らかにし、その硬さが最高Hv=1800に達することを示した。更に、このMo窒化物表面層は二層構造を呈し、表面近傍でγ-Mo_2N層、その内部にβ-Mo_2N層が形成すること、および各相で異なる双晶が形成されることを初めて明らかにした。特にβ-Mo_2N層では新しいマクロ双晶の生成を見い出した。 2.Mo-Ti合金ではMo_2N表面層の内側に純Moには認められない高強度な内部窒化層が形成されることを明らかにした。この層において従来材料の最高硬さ(Hv〜500)の約2倍のHv〜1000を示す飛躍的高強度を達成することに初めて成功した。さらに、この内部窒化層では厚さ約0.45nm(TiNの1ユニット長)、巾2〜4nmの超微細TiN粒子がMoマトリックスと一定の結晶方位関係を有し析出分散することを世界で初めて見い出し、この粒子の超微細分散が著しい強度増加をもたらしたことを明らかにした。
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