配分額 *注記 |
7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1997年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1996年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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研究概要 |
α_2Ti_3Al相とγTiAl相からなる二相チタンアルミナイドは,次世代の高温材料として注目されている.この材料をより高性能化するには,その組織を最適に設計する方法論を確立する必要がある.本研究では,その基礎として,チタンアルミナイドの組織と高温強度の関係を検討し,以下の結果を得た. 1. 0.1mm以上の結晶粒径では,クリープ強度は結晶粒径に依存しない.しかし,それ以下では,結晶粒の微細化はクリープ強度を低下させる可能性がある. 2. γ相の体積比(Al濃度)は,クリープ強度に大きな影響は及ぼさない. 3. 完全ラメラ組織を持つ材料では,ラメラ層間隔が小さいほど高いクリープ強度を示す.ただし低クリープ速度(低応力)では,層間隔の細かい組織で3次クリープ域での弱化が激しくなり,層間隔微細化による強化が消失する.これは,微細な層間隔の材料のラメラ組織が熱的に不安定で,変形中に動的再結晶や不連続粗大化反応を起こすためである. 4. ラメラ組織を高温で焼鈍すると,組織が安定化する.この処理を利用すると,クリープ変形中の動的再結晶や不連続粗大化反応が抑制され,微細層間隔の材料の低応力側でのクリープ強度が向上し,層間隔微細化による強化を低クリープ速度でも実現できる. 5. PST結晶のクリープ強度は,引張り軸とラメラ界面とのなす角に強く依存する.引張り軸とラメラ界面が平行あるいは垂直に近いと,PST結晶のクリープ速度は非常に遅く,多結晶TiAl合金より高い変形抵抗を示す.一方,中間の角度では,多結晶体と同程度のクリープ速度となる.この結果は,集合組織制御で多結晶TiAl合金の高温クリープ強度を向上できることを示唆する.
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