研究課題/領域番号 |
08455316
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
高梨 弘毅 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (00187981)
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研究分担者 |
佐藤 勝昭 東京農工大学, 工学部, 教授 (50170733)
藤森 啓安 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (60005866)
三谷 誠司 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (20250813)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
8,800千円 (直接経費: 8,800千円)
1997年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
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キーワード | 単原子積層制御 / 規則合金 / 人工格子 / 垂直磁気異方性 / 磁気カー効果 / 磁気力一効果 / 磁気力-効果 |
研究概要 |
FeとAuの単原子層積層制御により人工的に作製したL1_0型人工規則合金の構造と磁性をFe(xML)/Au(xML)人工格子(MLは1原子層厚の意)と比較し、詳細な検討を行った。X線回折の結果、xが整数の場合でも非整数の場合でもともに、x+x=2xMLの積層周期に対応する明瞭な超格子ピークが観測された。このX線回折パターンは、完全なLayer-by-layer growth を仮定したコヒーレント積層構造モデルで、定性的に再現できることがわかり、良好な超格子構造が形成されていることが示された。磁化曲線から垂直磁気異方性を評価した結果、垂直磁気異方性定数K⊥とFe層厚t_<Fe>の積K⊥・t_<Fe>は、xが整数の場合、多くの人工格子に見られるようにt_<Fe>に対して直線的に減少する。この結果から、界面磁気異方性エネルギーK_sを評価すると、K_sは1【less than or equal】x【less than or equal】3ではxとともに増加するがx【greater than or equal】4では飽和し一定となる。これは拡張されたネ-ルモデルにより理解される。一方、xが非整数の場合のK⊥・t_<Fe> vs.t_<Fe>は整数の場合の直線関係からずれ、全体として1原子層周期で振動する振る舞いを示す。これは、xが非整数の場合、界面の凸凹によりK_sが減少した結果と考えられる。人工格子の垂直磁気異方性が磁性層厚に対して振動する現象を見出したのは、本研究が世界で初めてである。また、強磁性共鳴法やトルク法を用いて、膜面内の4回対称磁気異方性の測定も行った。4回対称磁気異方性も、垂直磁気異方性と同様に、t_<Fe>に対して1原子層周期で振動的に変化する。磁気異方性の振動現象と界面構造との関係を原子レベルで解明するには、高分解能TEM観察やEXAFS,in-situ STMなどを今後行う必要がある。磁気光学スペクトルの測定でも2.5eV以下の低エネルギー側でカ-回転角がt_<Fe>に対して1原子層周期で振動することが見出された。また1【less than or equal】x【less than or equal】8のスペクトルに3〜4eV付近で特徴的な構造が現れ、Fe層の3d電子の量子井戸状態に関係するものであることが示唆された。
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