研究概要 |
本研究では,油中水滴型マイクロエマルション中で金属化合物超微粒子を合成し,その微粒子が分散した溶液中で金属アルコキシドから担体を作製し,同時に金属化合物超微粒子を担体に固定化するという新規固定化法に関する研究を行った. まず,本法における界面活性剤の親水基長さ,疎水基長さ,溶媒種を変えることによって,Rh´SiO_2触媒のRh粒子径を1.8〜9nmの広い範囲で制御することができた. また,本法で調製した触媒のRh粒子は,その一部が担体内に埋没してその部分が触媒として有効に機能していないことがわかった.そこで,固定化条件がRhの表面露出率に及ぼす影響について調べた結果,アルコキシドの加水分解時間を短くし,かつその時の含水率を大きくすることによって,Rhの表面露出率を80%近くまで高くすることができた.同様に,Pd/ZrO_2触媒においても,加水分解時の含水率を高くすることによってPd微粒子固定化後のPd露出率を向上させることができた.また,金属露出率を高くするためには,マイクロエマルション中の金属微粒子を固定化するのではなく,金属錯体超微粒子を固定化する方が好ましいことがわかった. 本法によって,金属粒子径がCO水素化反応に適した大ささの金属微粒子を担体に露出率が高い状態で固定化することによって,従来法触媒よりも数倍も活性の高い触媒を調製することができた.また,金属の露出率が活性点当たりの反応速度に及ぼす影響を明らかにすることもできた.
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