研究課題/領域番号 |
08455374
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
触媒・化学プロセス
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
三浦 孝一 京都大学, 工学研究科, 教授 (40111942)
|
研究分担者 |
前 一廣 京都大学, 工学研究科, 助教授 (70192325)
中川 浩行 京都大学, 工学研究科, 助手 (40263115)
|
研究期間 (年度) |
1996 – 1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
1997年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1996年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
|
キーワード | 褐炭の室温溶解 / 液相酸化 / 褐炭の構造解析 / 石炭の迅速熱分解 |
研究概要 |
埋蔵量豊富な褐炭に代表される低品位炭を室温で汎用の溶剤に可溶化することができれば、そのまま重油代替燃料として利用できるばかりか、クラッキング、アップグレーディングが格段に容易になり、少ないエネルギーの投入によってガソリン代替高品位燃料,有用化学物質に変換できる。本研究ではこの発想に基づき、(1)褐炭を室温かつ常圧下で汎用溶剤に溶解する方法の開発、(2)可溶化した褐炭の迅速熱分解について検討を実施した。 その結果、褐炭を過酸化水素中で60℃、2時間処理することで、室温下メタノール系汎用溶剤中に90%以上溶解させることに成功した。さらに、この改質炭を種々の汎用溶剤中で溶解させた結果、メタノールあるいはエタノールと石炭から回収可能なナフタリン類、フェノール類の組合せで80%以上溶解できることを明らかにした。 また、室温で可溶化したオーストラリア褐炭を各種機器分析した結果、平均分子量1300で、平均構造は1.4環の芳香環にカルボキル基が1.0個、ケトン基が0.6個、フェノール性水酸基が1.9個、エーテル結合が0.6個結合したものの5畳体であった。このように、これまで詳細が全く判らなかった褐炭構造を室温可溶化技術により明らかにした。 さらに、過酸化水素中60℃、2hで液相酸化し、メタノール/1-メチルナフタレンで室温中溶解した褐炭溶解液を850℃に迅速熱分解を実施した結果、転化率92%と固体のまま熱分解したときの転化率(55%)と比較して飛躍的に増加させることに成功した。これは溶解により熱分解が石炭分子単位で進行し、分子間の架橋形成反応がほとんど進行しないためであることがわかった。 今後、これらの成果に基づいて、より合理的な溶解方法の開発、溶解液の液化、水素化等について詳細に検討し、石炭の新転換技術を確立していく予定である。
|