研究課題/領域番号 |
08455419
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
有機工業化学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
竜田 邦明 早稲田大学, 理工学部, 教授 (40051627)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1996年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | 酵素阻害物質 / 天然有機化合物 / 生理活性物質 / 全合成 / 工業的合成 / 糖質 / 複素環 / 糖鎖工学 / 酵素阻害 / 抗生物質 |
研究概要 |
グリコシダーゼ阻害物質は生体機能の解明に役立つばかりではなく、糖鎖工学の発展にも寄与するものである。本研究の第一目的は、N-アセチル-β-D-グルコサミニダーゼの阻害物質であるナグスタチンの合成法を確立した後、類縁体の合成により構造活性相関と作用機序を解明することにある。第二の目的は、殺ダニ物質グアラマイシンおよび強力な類縁体の工業的合成法を確立することにある。まず、いずれも、安価な糖質を不斎炭素源として用い、それぞれの含窒素糖質部分合成して後、必要な官能基の導入および立体配置の整備を行って目的を達した。 1)ナグスタチンの合成:L-リボフラノースを原料にして、イミダゾールの分子間求核置換反応により、L-アロ型およびアルトロ型中間体を合成した。これらのスルホニル誘導体のイミダゾール部分の分子内求核置換反応により、ナグスタチンの基本骨格を合成した後、側鎖部分の導入を行い、ナグスタチンの全合成を完了した。工業的合成法としても利用できる。また、上述の中間体より、立体配置および置換基の異なる種々の類縁体およびトリアゾール体を合成し、構造活性相関と基質特異的な作用機序を明かにした。その結果、理論的にすべてのグリコシダーゼの阻害物質が合成できることを例証した。 2)グアラマイシンの合成:まず、L-グルカ-ルからグアラマイシンのアグリコン部分を合成した。即ち、Wittig反応を経て得られるシス-オレフィンのシス-ジヒドロキシ化により、目的の中間体トリオールを得た。これは、直鎖のアルコールの分子内環化反応を経て、ピロリジン誘導体に導かれ、さらに、相当するd-ラクタムのビス-ベンジリデン誘導体(グリコシルアクセプター)に導かれた。一方、二糖類部分は、メチルD-ガラクトシドと臭化D-グロサミニル誘導体から合成された。これと上述のアクセプターとのグリコシル化により、目的のa-グリコシド体が得られ、最終的にグアラマイシンを得た。さらに、安定、且つ殺ダニ活性の強いN-メチル誘導体を合成した。
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