研究課題/領域番号 |
08455436
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
高分子合成
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
手塚 育志 東京工業大学, 工学部, 助教授 (80155457)
|
研究分担者 |
尾池 秀章 東京工業大学, 工学部, 助手 (20282824)
|
研究期間 (年度) |
1996 – 1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1997年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
キーワード | 3成分系グラフト共重合体 / 表面特性 / 環境応答性高分子材料 / インテリジェント素子 / トポロジカル高分子 / 3成分グラフト共重合体 / 高分子材料表面 / 動的表面特性 |
研究概要 |
高分子材料表面の本質的な特性の一つである、接触・相互作用する媒体・溶質成分等の変化に対する迅速かつフレキシブルな応答挙動を分子レベルで理解し、制御しうる実験的手法を開発することは、濡れ、接着、摩擦、潤滑等の実用的にも極めて重要な基本的高分子表面・界面物性の合目的設計の基礎となると考えられる。 本研究では、3成分系グラフト共重合体によって実現しうる全く新しい表面特性に着目した、新規環境応答性高分子材料の開発を試みた。すなわち、3成分グラフト共重合体の一次化学構造の精密なコントロールに基づき、熱力学的(表面エネルギー)条件と幾何学的拘束条件とを相反させ、これら二つの安定化条件が拮抗する特異な表面ダイナミクスを実現した。この成果は、従来の高分子の分子設計では対応することが出来なかった、生体系媒体中の恒常性の維持に関わる生化学プロセスに対して応答し、制御することを可能にするインテリジェント素子を実現するための鍵となることが期待される。 さらに本研究では、高分子セグメントのトポロジー構造を自在に設計しうる新規な高分子反応手法の確立をめざし、疎水性高分子の末端基として導入した親水性かつ適度な環歪みを有する環状オニウム塩の物理的・化学的諸特性を利用した新しいトポロジカル高分子の合成を試みた。この新反応システムは、イオン性官能基のクーロン引力による自己組織化と、環状オニウム塩の対アニオン求核開環反応による共有結合固定という2段階・逐次プロセスであり、これにより従来実用的スケールでの入手が困難であった多様な分岐および環状トポロジーを有する新奇高分子化合物群を選択的かつ高収率に合成する手法を提供できた。
|