研究課題/領域番号 |
08455439
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
高分子合成
|
研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
伊藤 浩一 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (00023119)
|
研究分担者 |
川口 正剛 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (00204694)
|
研究期間 (年度) |
1996 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1997年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1996年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
|
キーワード | 界面活性モノマー / 両親触媒 / 組織化 / ミセル重合 / 乳化・分散重合 / ポリエチレンオキシド / ポリメタクリル酸 / ブラシ高分子 / 両親媒性 / マクロモノマー / 櫛形高分子 / MALLS-SEC / みみず鎖 / 剛体球 / テレケリックス |
研究概要 |
本研究は、疎水性重合基と主として水溶性ポリエチレンオキシド(PEO)鎖を含む両親媒性マクロモノマーの特性を利用した重合・共重合による両親媒性組織化高分子の設計と応用を目的とした。合成したPEOマクロモノマーは、水溶性であるが、疎水性重合基を核とするミセルを形成し、極めて速いラジカル重合で規則性櫛形ポリマーを生成する。ESRによる成長(kp)、停止速度定数(kt)の直接測定、開始剤効率(f)の評価から、局所濃度の増大とともに、kpとfの増加、ktの減少を伴うことを明かにした。生成した櫛形ポリマーは疎水性幹鎖のまわりを親水性PEOセグメントが密に取り巻いた、非常に特異な興味深いモデル高分子を提供する。実際、枝一幹鎖の組成(鎖長)によって、ランダムコイル形態から、半屈曲性のみみず鎖高分子(ポリ(p-スチリルブチルオキシPEOマクロモノマー(n=45))の持続長q=17nm)の挙動を示すことがMALLS-SEC等によって確認された。蛍光測定、ピレンの可溶化と合わせて、疎水性の硬い芯棒と親水性の軟らかい毛から成る水溶性ブラシ鎖の特徴を支持した。また、スチレン等の疎水性モノマーの水中乳化重合では、これらのマクロモノマーは極めて有効な反応性(共重合性)乳化剤として作用し、サブミクロン微粒子を生成する。その微粒子形成機構、微粒子形態について詳しく検討を加えた。アルコール中では、疎水性モノマーの分散重合に有効な反応性(共重合性)分散剤として働き、サブミクロン〜ミクロンサイズの単分散微粒子を生成する。これらの乳化・分散共重合系では、系中生成したグラフト共重合体の側鎖マクロモノマーが微粒子の表面上を覆って立体安定化作用を担い、主鎖コモノマー鎖が微粒子へのアンカー作用を担う。分散共重合の粒子径制御はこのモデルによる基本理論を提案し、実験を再現できた。 このように、マクロモノマーのミセル重合・共重合は、両親媒性高分子から成る、ブラシ高分子、極(超)微粒子、さらには単分子微粒子への展開を期待させる。さらなる機能化、応用については、さらに検討が必要である。
|