研究課題/領域番号 |
08455444
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
高分子合成
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研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
西久保 忠臣 神奈川大学, 工学部, 教授 (20120967)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
1998年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1997年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1996年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 水および水溶液 / 重縮合反応 / 重付加反応 / 高分子反応 / ポリエステル / ポリ(アミド-スルフィド) / ポリエーテル / ポリスルフィド / 不均一反応系 / ポリ(アミドースルフィド) / 選択的酸価反応 / ビスオキサゾリン / ジチオール / DBU / ジカルボン酸 / ビスアルキルハライド |
研究概要 |
多くの有機合成や高分子合成において、水の存在は副反応を誘引し目的とする生成物の収率を低下させることは衆知の事実である。特に、重縮合や重付加反応などのイオン反応を用いた重合系では、水の存在は生成するポリマーの分子量の低下を引き起こす原因となっている。さらに、通常は有機化合物や高分子化合物の酸化反応は有機溶媒中で行われているが、これらの酸化反応の際に、副反応として連鎖誘発反応が起こった場合には爆発などの危険が伴うこともある。従って、もし高分子合成において水あるいは多量に水を含む粋溶液を反応溶媒として広く利用することが可能となれば、高分子合成において新しい進歩をもたらすことになり、高分子工業の観点からは、製造工程の安全性の向上、プロセスの簡素化による製造コストの削減、環境保全の向上などが期待できる。本研究プロジェクトでは、以下の重合および高分子反応について研究を行い、期待通りの研究成果を得ることができた。 平成8年度は、1)ビスオキサゾリン化合物とジチオール類との重付加反応によるポリ(アミドースルフィド)類の合成、および、2)縮合剤として1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン-7DBUを用いたジカルボン酸とビスアルキルハライド類との重縮合反応によるポリエステル類の合成について検討を行い、これらの反応はいずれも、水中および水溶液中でよく進行し、目的とする高分子量のポリマーを得ることに成功した。平成9年度は、ポリ(アミド-スルフィド)の水中および水溶液中での選択的酸化反応によるポリ(アミド-スルホン)の合成について検討を行った。その結果、ポリマーの酸化剤としては、スルフィド結合の酸化反応の速度や高分子鎖の酸化分解の抑制などの観点から過沃素酸ナトリウムが最も適した酸化剤であり、次が過酸化水素であることが判明した。平成10年度は、1)水中で、種々の有機アミン類を縮合剤として用いた、ビスフェノール類とビス(4-クロロ-3-ニトロフェニル)スルホン(BCNPS)との重縮合反応によりポリエーテルの合成について検討を行った結果、適切な反応条件下では分子量1万以上のポリエーテル類が高収率で得られることが判明した。また、2)同様の反応条件下での、芳香族ジチオールとBCNPSとの重縮合反応による高分子量のポリスルフィドの合成にも成功した。さらに、この重縮合反応により得られたポリスルフィドの水中での選択的酸化反応による、ポリスルホンの合成についても検討を行った。
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