研究課題/領域番号 |
08455469
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
船舶工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
吉成 仁志 (1997) 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (20167737)
町田 進 (1996) 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70010692)
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研究分担者 |
金田 重裕 (金田 重祐) 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (90010892)
吉成 仁志 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (20167737)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
1997年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1996年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
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キーワード | 疲労き裂伝播メカニズム / ヒステリシスカーブ / コンプライアンス / 疲労き裂開閉口挙動 / RPG point / 自動計測 / 伝播速度を律するパラメータ / 荷重-歪みヒステリシスカーブ / コンプライアンス変化率 / RPG(Re-tensile Plastic zone's Genarated)荷重 / 高精度コンプライアンス測定装置 |
研究概要 |
本研究では、疲労き裂伝播メカニズム解明へ向けての基礎研究の第一歩として、疲労き裂先端歪み変化の詳細観察を計画し遂行した。また、本研究の遂行にあたり構築した実験システムにより、伝播中の疲労き裂先端における歪み変化(1Cycleにおける荷重(p)-歪み(ε')ヒステリシスカーブ)を従来にない高精度で、かつ自動的に測定する事に成功した。 まず、新たな解析手法によるコンプライアンス(dε'/dp)及びコンプライアンス変化率(d2 ε'/dp2 )の1Cycleにおける変化曲線の導入により、疲労き裂の開閉挙動に関して以下の知見を得た。 1)き裂閉口点は、ヒステリシスカーブ除荷過程の変曲点すなわちコンプライアンス(dε'/dp)変化の極大点として定義でき、充分な測定精度があればき裂閉口点の自動測定が可能である。 2)RPG(Re.tensile Plastic zone's Generated)pointは、負荷過程コンプライアンス(dε'/dp)変化の変曲点すなわちd2 ε'/dp2 変化の極小点として定義でき、充分な測定精度があればRPG pointの自動計測が可能である。 次に、dε'/dp及びd2 ε'/dp2 の変化曲線の示す傾向により、伝播中の疲労き裂を荷重振幅に対し幾つかの特徴的な領域に分け考察する事により、疲労き裂伝播速度を律するパラメータに関して以下の知見を得た。 3)荷重除荷過程においては、き裂先端塑性形成に関わる領域のみ取り出すのは困難であり、またき裂閉口の影響により応力拡大係数による整理自体に疑問符がつく為、き裂伝播速度を律するパラメータとしては、負荷過程においてき裂先端再引張り塑性域形成に寄与する領域を採用するのが合理的であると考えられる。 4)上記領域を特徴づけるRPG pointは、実験結果よりき裂開口点とは一致しない事が判明した。 5)3)及び4)より、今回の疲労き裂先端歪み変化の高精度測定結果は、き裂伝播速度を律するパラメータとして、△Kopまたは△Kc1ではなく、△KRPが最も妥当である事を示唆していると思われる。
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