研究課題/領域番号 |
08456001
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
育種学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
池橋 宏 京都大学, 農学研究科, 教授 (50193222)
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研究分担者 |
中崎 鉄也 (中ざき 鉄也 / 中さき 鉄也) 京都大学, 農学研究科, 助手 (60217693)
奥本 裕 (奥本 豊) 京都大学, 農学研究科, 講師 (90152438)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
1998年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1997年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1996年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | イネゲノム / 雑種不稔 / 遺伝子分析 / ハイブリッド育種 / 花粉不稔 / 遺伝子座 / 分子マーカー |
研究概要 |
栽培イネの遠縁交雑に現れる不稔(雑種不稔)は、栽培イネの分化に対する学術的関心から、最近の遠縁ハイブリッド品種への応用にも関係する問題で、過去半世紀以上も中心的研究課題であった。 基礎的研究として、ゲノムにおける雑種不稔遺伝子座の同定を取上げ、すでに、雑種不稔の座位として、S5、S7、8、9およびS15、16、17の合計7座を、染色体1、4、6(2座)、7、12(2座)に同定した。1976-78の本研究期間中には、S7および17の座の分子マーカーによる同定を進めた。さらに、ハイブリッド育種の材料を分析し、染色体3のPgi-1および染色体11のPgd-1の近傍に雑種不稔遺伝子座を検出した。 従来花粉の雑種不稔については、雑種不稔遺伝子座として分析することは困難であった。本研究以前に染色体7のEst-9近傍に花粉の雑種不稔遺伝子座(ga-11)があることが認められたが、この遺伝子座をさらに多くの標識により確認した。次に染色体12にも、低温に敏感な雑種不稔の座が認められた。さらに染色体3のPgi-1の近くに分離の歪みの遺伝子座を認めた。 放射線突然変異によって「トヨニシキ」から育成された「みゆきもち」には、IR36との交雑で不稔を示し、これは、対立遺伝子のS7^nからS7^Iへの変異であると認められた。この事からS^n/S^nからS^n/S^iへの突然変異は、表現型の変化なしに直ちに、S^n/S^nおよびS^i/S^iとして固定・保存されると考えられた。このような過程を経てイネのゲノムに数多くの雑種不稔遺伝子座が蓄積されたものと考察した。 なお、応用面では、ハイブリッド育種における細胞質不稔維持系統と回復系統の遺伝的多様性を分析し、イネのハイブリッド育種における代表的なcms系統が複雑な雑種不稔遺伝子の構成を持ち、新しい座位の不稔を示すことも認め、育種方法上の提案を行った。 なお、アメリカの科学雑誌、Science Vol.283(Page 313、Jan.15、1999)は、イネの収量向上に関係して、本研究の前段階を紹介した。
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