研究課題/領域番号 |
08456015
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
園芸・造園学
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
福嶋 忠明 (福嶋 忠昭) 山形大学, 農学部, 教授 (90026609)
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研究分担者 |
村山 哲也 山形大学, 農学部, 助教授 (20230013)
池田 道正 山形大学, 農学部, 教授 (20007074)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1996年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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キーワード | 柿 / 脱渋 / タンニン / 膨圧 / 脱水 / エタノール / 炭酸ガス / アセトアルデヒド / 脱渋機構 / アルコール脱渋 / 炭酸ガス脱渋 / カキ |
研究概要 |
まず始めにタンニンの精製方法について検討した。松尾らによる精製法は不純物が多く、かつ操作中に分子が小さくなるため不適当と判断された。抽出物を透析して得たタンニン溶液は多糖類が残っているものの、不純物が少なく、分子の分解もないので、現段階では最も良い方法と思われた。この方法で得たタンニン溶液を脱水濃縮すると、渋味を殆ど感じなくなるので、脱水凝固も脱渋の一つの方法と考えられた。実際に脱渋したタンニンを田中らの方法で分解したところ、アセトアルデヒド脱渋タンニン分解物に多く見られるアルデヒド縮合を示唆する物質が、炭酸ガスやエタノール脱渋果のタンニンには殆ど含まれていないことも分かった。さらにエタノールや炭酸ガスで脱渋中に果肉細胞の浸透圧が上昇し、つれて膨圧も上昇することが分かった。かくして、タンニン細胞はこの水の供給源として働き、みずからは脱水濃縮され、脱渋することが考えられた。 これらの実験中、酸が脱渋を加速することも判明した。このことを利用してエタノールに酢酸を加えて脱渋したところ、その速度が早まった。しかし果皮の一部に汚染が認められ、更なる検討を要する。このほかにもジャガイモや玉ねぎのジュースにカキを一晩浸けてから脱渋すると、渋の抜けにくいカキも容易に脱渋したが、未だにその原因物質を突き止めるまでには至っていない。さらに北海道産のカキについて、確かに内地産よりタンニン含量は多いが、脱渋は種によっては容易なものもあった。また軟化しやすい品種が脱渋しやすいようにも思われたが、材料が少なかったため確認するまでには至らなかった。これら残された問題については今後さらに検討する予定である。
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