研究課題/領域番号 |
08456055
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用微生物学・応用生物化学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
緒方 靖哉 (緒方 靖也) 九州大学, 農学部, 教授 (20038277)
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研究分担者 |
木村 誠 九州大学, 農学部, 助教授 (10204992)
土居 克実 九州大学, 農学部, 講師 (40253520)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1997年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1996年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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キーワード | DNA転移 / 放線菌 / 胞子形成 / 接合性プラスミド / DNA複製 / ABCトランスポーター / 膜タンパク質 / SPO III E様タンパク質 / SPOIIIE様タンパク質 / ヒストン様タンパク質 / ori / rep / 線状プラスミド / DNA分配 |
研究概要 |
本研究は、チオストレプトン生産性Streptomyces属放線菌におけるプラスミドと宿主細胞染色体の膜貫通を介したDNA転移に関わる拮抗現象及び転移機構の究明を目的とし、下記の成果が得られた。 まず、プラスミドDNA転移および放線菌染色体DNAの分布に機能すると考えられる遺伝子(プラスミドのtra遺伝子,放線菌のspo III E様遺伝子,複製開始蛋白の遺伝子rep,複製開始点ori,放線菌の一本鎖DNA結合性のヒストン様蛋白HSIの遺伝子hup等)とそれらの産物を明らかにした。 次いで、これらの遺伝子と産物の性状や機能の究明によって、以下のことを導き出した。(1)DNA転移は、一本鎖DNA(ss DNA)の形成にはじまり、膜貫通性蛋白TraやSpo III E様蛋白上で起こるATP分解に伴い生じるエネルギーによって駆動する。(2)hup遺伝子産物HSIは受容細胞内と同様に転移の間もss DNAに結合すると推測される。(3)spo III E様蛋白は放線菌の胞子形成のための染色体分配に機能するが、類似の構造と機能を持ち、多量存在するプラスミドのTra蛋白によって拮抗され、胞子形成の進行が阻害される。(4)プラスミド転移に伴う胞子形成阻害現象(ポック形成現象)は抗生物質バシトラシンによって抑制されるが、逆に胞子形成は顕著に促進された。(5)バシトラシンによって誘導される2種の膜蛋白(32、38 kDa)を分離した。32 kDa蛋白は未知であるが、38 kDA蛋白はABC-transporter蛋白であった。これらの2種の蛋白は放線菌の染色体DNAの分配には促進的に、プラスミドDNAの転移・伝播には抑制的に作用すると推測した。(6)さらに、環状・接合性プラスミドの胞子形成阻害作用(kill作用)を抑制する機能(kill override)を有する線状・接合性プラスミドの性状を明らかにした。
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