研究課題/領域番号 |
08456081
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
林学
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
吉川 賢 岡山大学, 農学部, 教授 (50166922)
|
研究分担者 |
千葉 喬三 鳥取大学, 農学部, 教授 (10036741)
山本 福寿 鳥取大学, 農学部, 教授 (60112322)
|
研究期間 (年度) |
1996 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1997年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1996年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
|
キーワード | 耐乾性 / 水ストレス / 中国 / 樹木生理生態 / 光合成 / クロロフィル蛍光反応 / 形態形成 / 蒸散 / 薬散 / 生理生態学 / クロロフィル螢光反応 |
研究概要 |
1. はじめに:本研究では慢性的な水ストレスを長期間与えることで樹木の生理生態的特性がどのように変化するのかを調べると同時に、急性の水ストレスによる生理活性の変化についても測定を行った。特に、蛍光測定を用いて、中国半乾燥地産の植物と日本産の植物の種間比較などを行い、光合成における耐乾燥性を明らかにした。 2. 材料と方法:(1)急性水ストレス:中国半乾燥地産の油松、樟子松、沙冬青、楊柴、檸条、沙棘、油蒿、日本産のアカマツ、クロマツ、スギ、アラカシ、クスノキ、ケヤキ、コナラ、ヨモギを用いた。ポット内の土壌が10日間でpFOからpF6以上まで乾燥させて植物の反応を測定した。(2)慢性水ストレス:礫耕栽培装置で培養液の浸透圧を調整し、数年にわたる水ストレス区を設定して、植物の形態形成などについての測定を行った。 3. 結果と考察 (1) 急性水ストレス:蛍光反応のパラメータの土壌の乾燥にともなう変化に種間で違いが認められた。半乾燥地の植物は日本産のものより高い耐乾燥性をもつことが示唆された。半乾燥地のマツは、日本産のマツより、土壌の乾燥が進む中でも光合成活性を高い状態で維持し、土壌水分の状態に敏感に反応して光反応を調節していた。そのほかの植物も光合成活性のピークを遅らせることで厳しい乾燥条件に対応することが明らかとなった。 (2) 慢性水ストレス:長期の水ストレスによってどの植物も地上部、地下部とも生長が抑制され、生育が阻害された。しかし、枝の伸長が抑制される種や、葉の展開回数に影響が顕著な種など、樹種による形態形成への影響に大きな違いが見られた。水ストレス処理によって光合成速度にも違いが認められたが、あまり顕著なものではなかった。また、蒸散速度はほとんど水ストレス処理間で違いはなかった。しかし、水利用効率では明らかに違いが現れた。
|