配分額 *注記 |
5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1996年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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研究概要 |
沿岸低平地における農業用排水の最適水管理の基本は,水の動きをいかに的確に把握するかにある.特に洪水時は流出現象の定量的な把握が重要となる.また,平水時は水の動きが緩慢であり,海象の影響を強く受けることから,農業用排水の水質を良好に維持するため,水質変動の動態に関する知見も必要不可欠である.本研究では,以上を背景に,沿岸低平地における農業用排水の最適な水管理のための数理モデルの構築を試みた.まず,カオス工学における非線形短期予測手法を導入し,沿岸低平地の洪水管理において境界条件となる水理・水文量の予測手法の検討を行った.河川感潮域の水位を対象に,時系列のフラクタル次元から予測の先行時間の限界を把握し,さらに強い自己相関構造を有する時系列の予測に有効とされるフィードバック型ニューラルネットワークモデルとLocal Approximation法の適用可能性を示した.次に,停滞性水域を対象に,水面の加熱・冷却による熱的擾乱や吹送流による機械的擾乱が水域の溶存性物質の輸送に与える影響について,室内実験と現地観測から検討した.その結果,熱的擾乱に伴う安定な密度成層の存在によって鉛直方向の輸送抑制と熱対流による鉛直輸送が促進されること,機械的擾乱に伴う混合拡散と密度界面での鉛直乱流輸送が閉鎖性水域の水質輸送を支配していること,などが明らかになった.また,開水路剪断流を対象に,乱流特性が浮遊性物質の輸送に及ぼす影響を室内実験によって検討し,乱れに対する浮遊性物質の動的応答特性を明らかにした.さらに,沿岸低平農地域を対象に,最適水管理支援エキスパートシステムの構築を試みた.このシステムは低平農地域の施設管理をファジィ推論で表現したもので,沿岸低平地の農業用排水施設の管理実態をほぼ再現できた.また,得られたエキスパートシステムを援用し,沿岸低平農地域の洪水緩和機能の定量化も行った.
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