配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
1998年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1997年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1996年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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研究概要 |
本研究の目的は,性腺刺激ホルモンやプロラクチンの分泌を調節する視床下部神経機構の制御機構の解析を行うことである.そのために,まずラットにおいてはGnRHパルスジェネレーターの電気活動の記録を行い,サイトカインのGnRHパルスジェネレーターの抑制効果におけるグルココルチコイドの役割について検討した.感染ストレス時にはサイトカインにより脳内でCRHの放出が高まり,視床下部ー下垂体ー副腎系が賦活され,視床下部ー下垂体ー性腺系が抑制されると考えられている.しかし,グルココルチコイドはかえってGnRHパルスジェネレーターの興奮生を維持する作用を持つことが明らかとなった.すなわち,視床下部ー下垂体ー副腎系は視床下部ー下垂体ー性腺系をサポートする機能も持ち,ストレス環境下においても性腺機能の廃絶を阻止し,ストレスが解除された場合の生殖活動の速やかな再開を保証しているものと考えられた.ヤギにおいては,GnRHパルスジェネレーターに対する生殖フェロモンの効果を明らかにすることができた.また,マウスにおいて,一部のフェロモンはプロラクチン分泌を制御するドーパミンニューロンの興奮生を高めることにより,流産を誘起することが明らかとなった.さらにGnRHサージとの関連を示唆する活動も記録されたが,これについてはさらに今後の検討を要する. 一方,エストロジェンにより視床下部において発現の高まるクローンについて解析を進めた結果,その中の一つは上皮系の細胞成長因子であるグラニュリンであることが判明した.この遺伝子を発現する細胞を組織学的に検討した結果,視床下部腹内側核や弓状核シこおいて発現していることが明らかとなった.さらに,グラニュリンアンチセンスDNAによりエストロジェンの作用が抑制されたことから,エストロジェンの中枢作用の少なくとも一部はグラニュリンを介して発現していることが明らかとなった.
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