研究課題/領域番号 |
08456157
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用獣医学
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
内藤 善久 (内藤 義久) 岩手大学, 農学部, 教授 (40003785)
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研究分担者 |
佐藤 淳 岩手大学, 農学部, 助手 (30250632)
岡田 啓司 岩手大学, 農学部, 助手 (60233326)
小田 伸一 岩手大学, 農学部, 助教授 (60211827)
佐藤 れえ子 (佐藤 レエ子) 岩手大学, 農学部, 助教授 (80142892)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
1997年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1996年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | 乳牛 / 周産期疾患 / 低Ca血症 / DCAB / DCAD / 起立不能症 / 骨代謝 / Ca・P / 乳中 / 起出不能症 / 予防 |
研究概要 |
本研究は、分娩前の乳牛に対する飼料中の陽陰イオンバランス(以下DCAB)を陰イオンに傾斜させ、それらにさらにCaとPとを添加する新たな方法により骨の吸収と形成の平衡を保ち、以て分娩後の低Ca血症を防ぎ、周産期疾患の多発を予防しようとする新しい試みである。平成8と9年度の2年間にわたり、交付申請書の実施計画に基づき、ほぼ予定通りに研究を遂行した。その結果の概略は以下の通りである。 1.ラットの予備的な実験に基づき、分娩前短期間の陰イオン添加飼料の給与が酸塩基平衡および乳熱の予防効果に及ぼす影響をホルスタイン種経産牛11頭を用いて検討した。その結果、短期間の陰イオン添加飼料の給与により乳熱の発症は減少する傾向が示唆されたが,効果的な乳熱を予防するにはより長い給与期間を設ける必要があると考えられた。 2.分娩前後の牛15頭を用いて,陰イオン飼料中のCaおよびP含量の差が血漿、尿および骨のミネラル代謝へ及ぼす影響を検討した。とくに、骨代謝の検索に関しては購入したマイクロ・カッテング・マシンを用いて骨形態計測を実施した。その結果,効果的に乳熱を予防するためには、陰イオン添加飼料は少なくとも分娩前2週間前か給与する必要があり、その添加量は尿のpHが6.0〜7.0の範囲で維持・調節する必要があると考えられた。 3.続いて、従来のDCABの欠点であった嗜好性の低下と骨の脆弱化を防ぐために独自の調整酸性化剤を考案し、乳牛29頭に試みた結果、嗜好性の向上が認められかつ尿pHを指標とすることにより、従来より容易に酸性化剤の使用が可能となることを明らかとした。 以上より、分娩後の低Ca血症を防ぎ、周産期疾患の多発を予防するためには、分娩前の飼料を陰イオン飼料に傾斜させ、かつ充分なCaとPを添加する方法が、効果的に乳熱を予防するだけでなく、嗜好性を向上させ、かつ潜在的な骨障害を防ぐことが出来ると考えられた。
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