研究課題/領域番号 |
08456160
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用獣医学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
鈴木 達行 山口大学, 農学部, 教授 (00216409)
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研究分担者 |
内海 恭三 京都大学, 農学部, 教授 (90033266)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1996年度: 6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
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キーワード | 牛 / 単為生殖 / 受精胚 / 集合 / キメリック胚 / 移植 / 妊娠 / キメラクローン / キメラ |
研究概要 |
8細胞期に達した受精胚と単為胚の透明帯を外し、それぞれ半分ずつ、または全部を寒天の0,1.0%,1.2%に包んで体外で培養し、胚の集合率と胚盤胞率を調べた。その結果寒天に包んだ場合の集合率は93%-95%となり、寒天に包まない場合の53%-70%に比べて有意に高い成績が得られた。胚盤胞の割合はどの試験区においても有意差は認められなかった。単為生殖卵と受精胚とを集合して胚盤胞に達した胚についてカリオタイビングした実験ではXX+XY,XYとXXの割合が、それぞれ53%、27%と20%となり、1/2分割の集合胚に比べて全卵を集合した胚の細胞数が有意に多かった(158±65vs202±32)。 ホルスタインの卵子を黒毛和種精子で体外受精させた。一方、同時期に褐毛和種から得た卵子を7%のエタノールで活性化させたのち、5mg/ml加サイトカラシンB処理により単為発生させた。次いで、これらの両者の細胞が8細胞期に達したとき微細刃により卵子の透明帯を切断したのち、両者を集合して更に5-6日間体外で培養した。なお、受精胚由来のブラストメアーの2-3個を取り出し、PCRで増幅したのち、雄(XY)と判定されたものを用いた。 こうして得られた胚盤胞を借り腹牛の子宮角へ移植した。その結果移植した11頭中6頭が妊娠し、比較的高い受胎例が得られたが、いずれも流産や早産などが起こり正常な生存胎児は得られなかった。流産は移植した11頭中2頭がそれぞれ58日と60日に起こり、分娩した子牛は7頭で、このうち双子が3組である。 1993年に生まれた双子の牛胎児は妊娠期間が234日で約50日間の早産であり、分娩後間もなく斃死した。生まれた胎児はいずれも23kgと19Kgの雄で各組織、器官や血液から受精細胞のXYと処女発生細胞由来のXXの染色体を持っていた。処女発生由来の褐色部分の割合は身体全体の20%程度であった。1995年7月に分娩したクローンキメラ牛は妊娠期間が261日で20日間の早産であった。体重は36キロの雄で外見的には正常で呼吸がみられたが、48時間後に斃死した。この子牛について各組織、器官や血液の染色体を分析したところ、受精細胞由来のXYと処女発生細胞由来のXXの両者を持ち合わせていた。また体毛も受精細胞のホルスタインの黒毛と処女発生細胞由来の褐毛とが明瞭に確認できた。褐毛部分の占める割合は身体全体の20%弱であった。剖検の結果臍帯鞘は通常の大きさに比べて2倍も大きく、心臓の腫大、腸管の出血などがみられた。また、胎児胎盤結節数は50個で正常の60から80個よりも少なかった。これらの生まれたクローンキメラを遺伝的に解析した結果、処女発生細胞と受精細胞を持つキメラであることが実証された。
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