研究課題/領域番号 |
08456162
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用獣医学
|
研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
佐久間 貞重 大阪府立大学, 農学部, 教授 (20231334)
|
研究分担者 |
代田 欣二 麻布大学, 獣医学部, 教授 (70147974)
岡田 利也 大阪府立大学, 農学部, 助手 (00169111)
山手 丈至 大阪府立大学, 農学部, 講師 (50150115)
大橋 文人 大阪府立大学, 農学部, 教授 (10126013)
|
研究期間 (年度) |
1996 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1997年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1996年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
|
キーワード | 腎線維化モデル / ラット / サイトカイン / アポトーシス / マクロファージ / 筋線維芽細胞 / 細胞外基質 / シスプラチン誘発腎線維化モデル |
研究概要 |
腎線維化は進行すれば萎縮腎となり、個体の死を招来する。しかし、その病理発生は未だ不明である。本研究では、この病理発生に一考を投じることを目的に実施し、以下の成果を得た。1.腎間質線維化のラットモデルの確立と病態解析:シスプラチンの高用量と低用量をラットに投与することにより急性と慢性の腎障害後の線維化モデルを作出した。さらに、片側尿管結紮による水腎症に起因するラット腎線維化モデルと、老齢ラットに自然発生する慢性進行性腎症について多角的に解析した。その結果、線維化には浸潤マクロファージと筋線維芽細胞が重要な役割を演じていることを明らかにし、さらに線維化の緩解には筋線維芽細胞のアポトーシスが関与することを示した。2.腎線維化に係わるサイトカイン、特にTGF-βとPDGFの病変形成への関与:シスプラチン誘発腎線維化では、初期においては浸潤マクロファージから産生されるTGF-βが、線維化が進んだ状態では再生尿細管上皮からのTGF-βが、病変の誘導に係わること、さらに、ラット慢性腎症では、TGF-βよりも再生尿細管から産生されるPDGFの方が線維化の進行により深く係わることを明らかにした。片側尿管結紮後の腎線維化では、TGF-βはその初期においてのみ病変形成に関与し、その主たる産生部位は尿細管上皮であることを示した。3.実験的に誘発した肝・心筋線維化病変と腎線維化病変との比較:肝では四塩化炭素による線維化を、心筋ではイソプロテレノールによる線維化を誘発した。これら線維形成には、腎線維化と同様に、マクロファージと筋線維芽細胞(肝では類洞周囲細胞)が重要な役割を演じることを明らかにした。しかし、LECラットの銅代謝異常による肝線維化では、マクロファージの関与は証明できなかった。 結論:今回の一連の研究において確立したラットの腎線維化モデルは腎線維化の治療のための薬物を開発するために有益であることが示され、さらに病理学的に解析したその成果は、線維化の病理発生を解明する上で有用な情報を提示し得ることが示された。
|