研究課題/領域番号 |
08457004
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
井出 千束 京都大学, 医学研究科, 教授 (70010080)
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研究分担者 |
早柏 琢哉 京都大学, 医学研究科, 助手 (00273459)
野田 亨 京都大学, 医学研究科, 助手 (50156204)
藤本 和 京都大学, 医学研究科, 講師 (50159125)
溝口 明 京都大学, 医学研究科, 助教授 (90181916)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
1997年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1996年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | 成長円錐 / シュワン細胞 / カテニン / カドヘリン / bFGF / 蛋白キナーゼC / ニューラビン / 神経再生 / インテグリン / ニューロトロフィン / シナプトブレビン / シンタキシン |
研究概要 |
神経の再生には接着因子と栄養因子が大きな役割を果たすが、本研究ではまず接着因子に関するものとしてカドヘリンとその細胞内関連分子であるαNカテニンの局在を、栄養因子としては塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)の効果を調べた。また蛋白キナーゼCのサブタイプの局在についても調べた。 カドヘリンは再生軸索とシュワン細胞あるいは再生軸索同士の接着面に発現していた。また成長円錐細胞質内ではカドヘリンを含む小胞があり、カドヘリンが開口分泌によって細胞表面に供給されることが示唆された。 再生軸索にはαNカテニンが溺慢性に細胞室内に局在し、形質膜下に限局することは少なかった。これはαNカテニンの細胞内動態について示唆を与えるものである。シュワン細胞にはαNカテニンはない。bFGFはin vivoで再生軸索の伸長を明らかに促進した。シュワン細胞は基底膜の筒を再生軸索の通路とした再生モデルにおいては、成長円錐より遅れて再生軸索に沿って移動した。成長円錐はシュワン細胞表面又は基底膜内側面に接しながら伸びるが、特に基底膜の表面にbFGFが結合し、そのbFGFが成長円錐表面のbFGF受容体によって成長円錐に取り込まれて成長円錐の伸長を促進することを明らかにした。犬の末梢神経の同種移植で、bFGFの投与が再生軸索の伸長を明らかに促進することを確認した。また蛋白キナーゼCのサブタイプ(δ、ε、ζ)が再生軸索の細胞質内に局在していることを明らかにした。これは蛋白キナーゼCが軸索伸長に関与していることを示唆するものである。 シナプスに発現されるneurabinが成長円錐の板状足に特に多く存在することを見出した。neurabinはF-actin結合蛋白で、神経突起の形成に関与していると考えられる。 また中枢神経系における脱髄とこれに続く再髄鞘化の現象をも調べた。
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