研究課題/領域番号 |
08457005
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
塩田 浩平 京都大学, 医学研究科, 教授 (80109529)
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研究分担者 |
滝川 俊也 京都大学, 医学研究科, 助手 (90263095)
石橋 誠 京都大学, 医学研究科, 助手 (30232341)
森 千里 京都大学, 医学研究科, 助教授 (90174375)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
1997年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
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キーワード | アポトーシス / プログラム細胞死 / 器官形成 / 発生異常 / 心筋炎 / 精巣 / 熱ショック蛋白 / DNA断片化 / 形態形成 / 四肢原基 / 口蓋 / マウス胎児 |
研究概要 |
1)マウス胎児の四肢形成過程におけるプログラム細胞死をナイルブルーによる生体染色ならびにTUNEL法によるDNA断片化の検出法によって調べた。その結果、胎児四肢で起るプログラム細胞死は、従来言われていたように指を分離させる役割のほかに、指の長さを規定し、軸前部および軸後部における過剰指(多指)の発現を抑制するという役割を持っていることが明らかになった。遺伝性の多指をもつミュータントマウスPdn(Polydactyly Nagoya)の胎児四肢原基においてアポトーシスの発現が正常群と比べて差が有り、アポトーシスの異常が指奇形の原因になることが裏付けられた。さらに、BrdUなどで胎児指間部のプログラム細胞死を阻害したところ、指が分離しないで合指症が誘発された。このことから、発生過程におけるアポトーシスの異常が指奇形の原因の一つであることが確認された。 2)胎児の四肢や顔面でプログラム細胞死が起きる部位では、熱ショック蛋白の一種であるHSP105が共発現していることが、免疫組織化学で確認された。HSP105は、発生過程でアポトーシスが起きる際にDNAに結合してアポトーシス関連蛋白の合成などに関与している可能性が示唆された。 3)マウスにウイルス心筋炎を誘発しその心臓組織を組織化学的、生化学的に調べたところ、病変の起こった心筋組織にアポトーシスが認められた。このことから、心筋症の発症またはその病態にアポトーシスが関連していると考えられた。 4)雄の成熟マウスにマイトマイシンなどを投与すると精巣の萎縮や精子形成の異常が起きる。投与された雄動物の精巣を組織学的ならびに免疫組織化学的に調べたところ、特定の精子形成段階にある精細管のアポトーシスが起こっていることが確認された。多くの化学物質が精巣毒性を発現する際に、精細胞のアポトーシスが関与していることを推定された。
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