研究課題/領域番号 |
08457012
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 香川医科大学 (1997) 大阪大学 (1996) |
研究代表者 |
小坂 博昭 香川医科大学, 医学部, 教授 (60158897)
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研究分担者 |
米山 弘人 香川医科大学, 医学部, 助手 (80294750)
精山 明敏 大阪大学, 医学部, 助手 (70206605)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
1997年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1996年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
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キーワード | 一酸化窒素(NO) / ヘモグロビン / 酸素放出 / 顕微分光 / 狭心症 / ニトログリセリン / 硝酸イソソルビド / 電子スピン共鳴 / 一酸化窒素 |
研究概要 |
臓器循環において、NOが血液から組織への酸素放出を促進させる可能性を検討した。ニトログリセリンや硝酸イソソルビドを投与したラットからの血液中には電子スピン共鳴でNOヘモグロビンを検出した。このようなNOヘモグロビンを含むラット血液の酸素解離曲線を検討したところ、ヘモグロビンと酸素との結合力が弱まっていることを初年度に初めて明らかにしている。今年度はin vivoで検討した。狭心症の特効薬であるニトロ系冠拡張薬の作用は、血管を拡張し心負荷を軽減することにあると思われてきた。新たに、一本の毛細血管でみた血液から組織への酸素放出が、その血管での血流増加によらずに、ニトロ系冠拡張薬によって有意に増加することを初めて明らかにした。枝分かれのない単一の肝類洞の2点で、酸素飽和度、赤血球速度、ヘモグロビン濃度を顕微分光装置で計測し、酸素放出速度を求めた。ニトログリセリンは酸素放出を急速に促進した。硝酸イソソルビドの酸素放出促進効果は持続的で長時間作動型の特徴と一致するものであった。この理由として2点間での酸素飽和度の差の有意な増加のみを観測した。オキシヘモグロビン流入量や肝の代謝の増加はなかった。これらの結果は、末梢組織で酸素を放出するときに、一個のNOが結合したHb四量体は、そのHb四量体の他のヘムに結合した酸素をより強く放出する可能性を示唆する。今回のデータは狭心症に対するニトロ系冠拡張薬の作用機構に対し核心的な資料のひとつとなるものと考える。
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