研究課題/領域番号 |
08457015
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
反町 勝 鹿児島大学, 医学部, 教授 (70036440)
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研究分担者 |
山神 和比己 九州大学, 医学部, 助手 (30041354)
赤池 紀生 (赤池 紀夫) 九州大学, 医学部, 教授 (30040182)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
1997年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1996年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | 日本猿脳 / CaR / 自発電流 / 免疫組織化学 / Ca^<2+>感受性受容体 |
研究概要 |
Ca^<2+>感受性受容体(CaR)の脳における生理的役割を明らかにする目的で、ウサギで作製した抗体を用いたサル脳内におけるCaR分布、および神経終末の自発的電気活動に対する抗体の作用を調べた。(1)4種類の抗体の内、1種類のみがサル脳内に免疫活性を検出した。大脳の新皮質では、第1層から脳表面にかけて、免疫反応陽性の念珠状神経終末が散在性に観察され、ところどころ脳の外表面を走行する像を示した。海馬の一部と歯状回(分子層の表層)、側脳室に面した尾状核の領域、外側中隔核、内側中隔核、分界条床核、扁桃体領域(とくに内側基底部の脳表面に近接した領域)、マイネルトの基底核、ブローカの対角核、視床(側脳室に面した正中核の領域や内側手綱核領域)、視床下部(第三脳室に面した領域や乳頭体外側核領域)などを含む広範囲の領域に免疫反応陽性の念珠状神経終末が散在性に観察された。その他、中脳(とくに脚間核領域)、小脳皮質(プルキニエ細胞周囲)、橋と延髄(第四脳室に面した領域、最後野)にも認められた。しかし、Ruatらのラット脳の結果と異なり、血管壁に一致した反応陽性物は認めなかった。他方、視床下部や扁桃体などでは、グリアと思われる細胞の細胞体と突起とが染色された。(2)14日齢のWistar rat脳から作製した切片の局所に物理的振動を与えることにより単離した扁桃核ニューロンを膜電位固定下すると、ニスタチン穿孔パッチ記録法により自発性のシナプス電流が記録された。Yチューブ法により20ミリ秒以内に急速投与した60、200倍希釈のCaR抗体血清は、自発性のシナプス電流に対して明らかな効果を示さなかった。この抗体は、生理的条件下にある抗原を認識できないか、もしくは用いた扁桃核ニューロンにおける終末部位にCaRが存在していないかの可能性が考えられた。
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