研究課題/領域番号 |
08457017
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
赤須 崇 久留米大学, 医学部, 教授 (60113213)
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研究分担者 |
鶴崎 政志 久留米大学, 医学部, 講師 (60207454)
蓮尾 博 久留米大学, 医学部, 助教授 (90172882)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1997年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1996年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | 交換神経節 / 副交換神経節 / IL-1β / サイトカイン / 過分極電位 / 中隔核 / グアニル酸シクラーゼ / シナプス前調節機構 / 自律神経節 / γ-アミノ酪酸 / パッチクランプ / G-蛋白 / GABA_B受容体 / インターロイキン-1β / 1L-1β活性フラグメント / 骨盤神経叢 / シナプス伝達 / 細胞内シグナル伝達機構 / 大脳中隔核 / 自律神経機能 / ストレス / インターロイキン / 骨盤内神経叢 / 交感神経節 |
研究概要 |
我々は初年度から次年度にわたって、ウシ蛙やラットの交感神経節、家兎の副交感神経節(骨盤神経節)のシナプス伝達に対するIL-1β及び関連するサイトカインの作用を細胞内微小電極を用いて検討した。その結果、IL-1βが低濃度で自律神経節(交感神経節や骨盤内神経節)細胞に非常に長い経過を持つ過分極電位を発生することを見いだした。また、IL-1βはこれらの神経節において興奮性シナプス後電位(EPSP)を一過性の促進に続いて長時間抑制することを見いだした。一方、大脳辺縁系の中隔核においてIL-1βの作用は、膜電位変化よりもEPSPに対する作用が著明に発現した。最終年度において、我々は上記のIL-1βの作用メカニズムについて検討した。その結果、IL-1β誘起過分極電位には先行して脱分極電位が発生することが約半数の実験例で観測され、IL-1βがGABAを遊離させ、二次的に脱分極電位を発生させていることがわかった。また、IL-1βの二相性電位変化は細胞内のグアニル酸シクラーゼを介するシグナル伝達機構によって発生している可能性が考えられる。さらに、コリン性シナプス伝達に対するIL-1βの作用は、シナプス前終末からのアセチルコリン放出を調節するシナプス前調節機構であることがわかった。現在細胞内シグナル伝達機構について検討中であるが、一過性の増強作用についてはシナプス前終末内のサイクリックAMPを介した機構が働いている可能性がある。一方、抑制作用についてはGABA_B受容体を介するシナプス前抑制機構が考えられている。これまでの実験結果で特徴的なことは、IL-1βによる自律神経機能の抑制作用は非常に強力で、かつ長時間に及ぶことであり、炎症時のインターロイキンの自律神経系に対する作用と関連している可能性が強い。我々は現在、神経興奮現象の時間的、空間的な変化を電位感受性色素を利用し、画像として処理することによってIL-1βの作用を検討している。
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