研究課題/領域番号 |
08457035
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
村松 喬 名古屋大学, 医学部, 教授 (00030891)
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研究分担者 |
黒澤 信幸 名古屋大学, 医学部, 助手 (50241253)
村松 寿子 名古屋大学, 医学部, 助手 (50182134)
門松 健治 名古屋大学, 医学部, 助教授 (80204519)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
1997年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1996年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
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キーワード | ミッドカイン / ヘパリン / NMR / シナプス形成 / がん / 好中球 / リューマチ / カルシュウム動員 / サイトカイン / 増殖分化因子 / 神経突起伸長 / シンデカン / 神経分化 / プラスミノーゲン活性化酵素 |
研究概要 |
1.ミッドカインの立体構造をNMRによって決定した。ミッドカインはS-S結合で結ばれた2つのドメインから成り、それぞれのドメインは逆平行の3本のβシートから構成されていた。生物活性を持つCドメインのアミノ酸につき部位特異的突然変異を行い、神経突起伸長に必要なアミノ酸、そしてプラスミノーゲン活性化酵素の活性増大に必要なアミノ酸をそれぞれ同定した。2.ミッドカインが好中球遊走能を持ち、かつリュウマチ性関節炎の滑液中に出現することを見出し、ミッドカインは炎症と強く関連することが判明した。ミッドカインは好中球でのカルシュウム動員を促し、阻害剤を用いた解析からこの過程にチロシンキナーゼ、Pl3キナーゼ、Gタンパク結合性受容体が関与することが示唆された。3.ミッドカイン遺伝子のノックアウトマウスを作成した。マウスは正常に発生したが海馬の発育が遅れることが、カルレチニンの発現を指標にして明らかに出来た。4.アフリカツメガエル胚へのミッドカインmRNA注入により、ミッドカインは中胚葉形成を抑え、頭部神経の発生を促進することを明らかにした。この際、TGF-βスーパーファミリーからのシグナル伝達の下流Smad2からのシグナルとミッドカイン由来のシグナルが干渉し合うことが判明した。5.ミッドカインを結合したビーズと接触させることにより筋肉細胞にアセチルコリン受容体のクラスター化が引き起こされた。ミッドカインのシナプスにおける発現状況も考え、ミッドカインは神経細胞によって分泌され、シナプス形成を促進する因子と結論された。6.N末端側ドメインを欠く短縮ミッドカインmRNAが癌特異的に発現し、ことにリンパ節転移巣に強く発現していることを見出した。また、癌患者の血清中のミッドカイン値はしばしば上昇し、ことに肺癌に於てその傾向が強かった。
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