研究課題/領域番号 |
08457049
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
清水 憲二 岡山大学, 医学部, 教授 (10037286)
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研究分担者 |
松原 長秀 岡山大学, 医学部・附属病院, 医員
大内田 守 岡山大学, 医学部, 助教授 (80213635)
小倉 肇 岡山大学, 医学部, 助教授 (20112146)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
1997年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1996年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
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キーワード | 大腸がん / 遺伝的不安定性 / ミスマッチ修復遺伝子 / 細胞周期制御遺伝子 / 転写制御遺伝子 / E2F4 / p107遺伝子 / 癌抑制遺伝子 / がん遺伝子 / hMSH3 / PCR-SSCP解析 / 点突然変異 / ras活性化変異 / マイクロサテライト / ゲノム不安定性 / E2F-4遺伝子 |
研究概要 |
【緒言】本研究では、新規に創案した全領域マルチSSCP法とゲノムスキャン法とを用いて、個々の癌における遺伝子異常を広範に検索し、併せてその原因を追及することを目的とした。 【方法】1,研究検体を確保するために、岡山大学腫瘍バンクを設立し、これまでに約800例の腫瘍-正常組織対を収集した。2,マクロな遺伝子異常検出法としてInter-Alu Long-PCR法によるゲノムスキャンを開発した。3,ミクロな遺伝子異常検出法として蛍光標識を用いた長鎖(RT)-PCRによる遺伝子全領域マルチSSCP法を開発し、点突然変異などの微小な異常を検索した。 【結果】2の方法により複数の腎癌において共通にLOHが見られた領域はRadiation Hybrid法によってヒト染色体14長腕にマップされ、腎癌における新しいLOH領域の発見となった。3の方法によっては、結腸癌の1例でK-ras第22コドンにGln→Lysの新しい癌特異的点突然変異を見い出した。同じ方法によって、大腸癌でマイクロサテライトの不安定性(MI+)と転写因子E2F4遺伝子の変異を検索し、MI+の癌にのみ特異的なE2F4エクソン内の(CAG)13反復配列のコピー数変化を発見した。この変異はE2F4蛋白質の転写活性化領域内のポリセリンの数を減少させ活性化させる。これまでに200例以上の癌を検索し、MI+の胃癌と大腸癌の約37%にE2F4の変異を見い出した。更に我々はE2F4の変異は高頻度のMI+表現型を示す大腸癌では60%以上の頻度で見られ、また興味深いことにE2F4変異を持つ癌の80%以上が修復遺伝子であるhMSH3のエクソン内に1塩基フレームシフト変異を持つことを明らかにした。以上のように、これらの癌ではE2F4遺伝子がhMSH3遺伝子の関与するミスマッチ修復機構の欠損の標的であることを初めて解明した。 上記のほか、E2F4タンパク質と相互作用するp107遺伝子の初めての異常を2例のリンパ球系腫瘍細胞株と1例のリンパ性白血病患者から発見し、そのうち1例は遺伝子内のエキソン5個を含む15kbpの領域の欠失であることを発見した。また、頭頸部癌における遺伝子増幅を伴わないCyclin D1遺伝子の発現増強を競合的RT-PCR法によって証明した。また極めて最近、ヒト染色体3p21領域に局在する新たな癌抑制遺伝子候補を発見し、遺伝子全体構造を解明すると共に、肺小細胞癌細胞株における1遺伝子座位の欠失と残っている遺伝子上の点突然変異を発見した。
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