配分額 *注記 |
6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
1998年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1997年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1996年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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研究概要 |
1) MDS骨髄内の腫瘍細胞側の因子(アポトーシス)の解析: MDS症例骨髄の造血細胞では、非常に高頻度にアポトーシスが起こっていることが明らかとなった。対照群非血液疾患患者骨髄に比較し10倍近い頻度で、有意な差が認められた。これに対して、de novo急性骨髄性白血病やMDSからovert leukemiaへ移行した症例では,アポトーシスはほとんど検出されない。 2) MDS骨髄内の造血支持細胞側の変化: 新鮮材料を用いたRT-PCR法によりサイトカイン遺伝子発現を定量的に解析し,mRNAの発現量をMDSと対照群ないし急性白血病群の間で比較した。MDS骨髄では,正常造血を抑制するTNF-αおよびIFN-γの過剰発現があり、二重染色で解析すると,主にマクロファージ系の細胞で強い発現が起こっていた。 3) アポトーシス誘発に対するFas、Fas-ligand系の関与 Fas-Fas-ligandの系が造血細胞のアポトーシス誘導に関与している可能性を調べるために,RT-PCR法ならびに免疫組織化学的に発現を検索した。その結果,mRNAおよび蛋白のいずれにおいても,造血系細胞にFas抗原の発現増強が認められた。一方Fas-ligandは,造血系細胞のみならずマクロファージ系の支持細胞にも発現の増強が認められ,Fas-Fas-ligandシステムを介したアポトーシスのシグナルは造血細胞同士ならびに支持細胞から造血細胞へという二つの経路で伝達されているものと考えられた。
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