研究課題/領域番号 |
08457064
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
米澤 傑 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (10175002)
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研究分担者 |
丸山 征郎 鹿児島大学, 医学部, 教授 (20082282)
松下 能文 鹿児島大学, 医学部, 助手 (90244227)
佐藤 栄一 鹿児島大学, 医学部, 教授 (60004579)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
8,100千円 (直接経費: 8,100千円)
1998年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1997年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1996年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
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キーワード | トロンボモジュリン / 扁平上皮癌 / 腺癌 / MUC1ムチン / MUC2ムチン / MUC5ACムチン / シアル酸 / 癌患者の予後 / ムチン / 食道癌 / 消化器癌 / in situ hybridization / 肺癌 / ムチン抗原 |
研究概要 |
1. 扁平上皮癌に関して (1) 扁平上皮癌細胞に発現しているトロンボモジュリン(TM)と血管内皮細胞に存在するTMが同一であることを明らかにした。また、TMの高発現株と低発現株を比較から、低発現株のより高い浸潤性を明らかした。 (2) ヒトの口腔や肺の扁平上皮癌においても、食道癌と同様に、リンパ節転移巣でTMの発現低下がみられることを明らかにした。 (3) 腺癌のみならず、咽頭・喉頭ならびに食道の扁平上皮癌においても、MUClが優れた腫瘍マーカーであり、殊に、ヒト食道癌においては、シアル酸の結合したMUC1ムチン(DF3抗原)の陽性群は陰性群に較べて明らかに予後が悪かったが、MUC1ムチンコア蛋白の陽性群と陰性群の間には予後の差はなかった。 2. 腺癌に関して (1) 膵や肝内胆管の膨脹性発育腫瘍でも、その経過中に浸潤性増殖を始める症例においては、浸潤性発育部位で、予後不良因子の膜結合型MUC1ムチンが発現し、腫瘍の浸潤にかかわっている可能性が見い出された。 (2) 膵や肝内胆管の膨脹性発育腫瘍に特徴的なMUC2ムチンの発現は、MUC2mRNAにより制御されており、MUC2mRNAの発現が癌患者の予後良好因子になることを明らかにした。 (3) 浸潤傾向の少ない「粘液産生性膵腫瘍」の各組織亜型でのムチン発現の検索により、分泌型ムチンのMUC5AC(胃型)とMUC2(腸型)の遺伝子発現様式が各組織亜型により異なっていることを明らかにした。 (4) 膵と肝内胆管の腫瘍においてシアリダーゼ処理によるコア蛋白と糖鎖の結合状況を検討する研究を行い、浸潤性癌に特徴的なMUC1ムチンにおいてはシアル酸エピトーブが重要であることを明らかにした。 (5) ファーター乳頭部癌や胃癌においても、MUC1ムチンの発現は予後不良因子であり、逆に、MUC2ムチンの発現は予後良好因子であることを明らかにした。 (6) 大腸でのadenoma-carcinoma sequenceにおける腫瘍の進展とpericryptal fibroblast sheathの減少に密接な関連性があることを明らかにした。
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