研究課題/領域番号 |
08457066
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
秦 順一 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90051614)
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研究分担者 |
山田 健人 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60230463)
梅澤 明弘 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70213486)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
1997年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1996年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
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キーワード | ヒト胎児性癌細胞 / EAT遺伝子 / アポトーシス / Bcl-2 / 10(1)細胞 / トランスジェニックマウス / 胚細胞腫瘍 / シスプラチン / G3細胞 / モノクローナル抗体 / CDDP |
研究概要 |
初期胚発生のモデルである多分化能ヒトEC細胞NCR-G3細胞を用いて、初期分化に関わる分子の単離と機能を以下のように解析した。 I.G3細胞の分化を制御する新たな遺伝子EATを得た。bcl-2ファミリーのホモロジードメインを有している本遺伝子のin vitroおよび個体での機能を以下のように明らかにした。 1)EATに対する特異抗体を作成し、ヒト組織での分布を検討した結果、おもに、胃腸管、気管支上皮、腎尿細管など単層上皮に発現がみられた。この発現は胎生期から保存されていた。 2)マウス線維芽細胞・10(1)のEAT安定発現株に対して各種抗癌剤を投与した結果、シスプラチンによるアポト-シスを抑制した。さらに、EATのトランスジェニックマウス(EAT-Tg)にシスプラチンを投与した結果、腎尿細管上皮のアポト-シスが抑制された。 3)EAT-Tgを2系統安定して保持している。Tgは10週以後インスリン産生細胞優位の著名なラ氏島過形成が認められた。成人でラ氏島はアポトーシスによってその容積を調整されており、EATのアポトーシス抑制作用によって過形成が惹起されたものと考えられる。飢餓状態下でグルコース投与実験を行ったところ、有意に血清インシュリン値が上昇し、この過形成が機能的であることが証明された。 以上の結果から、EATはアポトーシスを抑制することによってヒトの初期分化に寄与していることが示唆された。 II.G3細胞を抗原に数種の抗体を作成し、胚細胞腫瘍の診断に応用可能な分子を得た。. 1)精巣胚細胞腫瘍の前癌病変である精細管内悪性胚細胞を特異的に認識する抗体HB5、HF2、HE1を得た。これらは新たながん胎児抗原を認識していることが明らかとなった。 2)胎児性癌を特異的に認識する4C4抗体は、既に組織診、細胞診断に応用されている
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