研究課題/領域番号 |
08457089
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
細菌学(含真菌学)
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
中澤 晶子 山口大学, 医学部, 教授 (40053053)
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研究分担者 |
吉山 裕規 山口大学, 医学部, 講師 (10253147)
白井 睦訓 山口大学, 医学部, 助教授 (20196596)
溝手 朝子 山口県立大学, 家政学部, 講師 (90145938)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
1997年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1996年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
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キーワード | ヘリコバクターピロリ感染 / ウレアーゼ / 球状体 / シグマ因子 / 細胞分裂関連遺伝子 / CTL誘導 / 転写解析 / ヘリコバクター・ピロリ感染 / 走化性 / 転写開始点 / ヘリコバクター・ピロリ / 尿素 |
研究概要 |
Helicobacter pyloriのウレアーゼは定着と胃粘膜障害を惹起する病原因子である。 1.ウレアーゼ遺伝子の転写産物の解析により、活性化オペロンの1つであるureIEFの転写産物のうちUreIEが酸により誘導される可能性が示された。ureAB、ureIEFの転写開始点を決定し、UreIEFには転写開始点が2ヶ存在することを明らかにした。 2.本菌は、尿素、ウレアーゼ阻害剤、炭酸イオン、ナトリウムイオンに対して正の走化性を示すことを見出した。3%ポリビニルピロリドン存在下での走化性を非存在下でのそれと比較したところ、野性株のみが、いずれの物質に対する走化性も著明に上昇した。また、ウレアーゼ阻害剤は粘性条件下での走化性を阻害した。以上の結果、ウレアーゼは本菌の高粘度溶液での運動性に必須であることが示された。 ウレアーゼオペロンの下流に、細胞分裂関連遺伝子cdrAが存在することが明らかとなった。その変異株は野性株に比べて高塩濃度環境での生存性に優れることが示された。またこの遺伝子は、大腸菌で過剰発現すると多核野繊維状細胞を生ずることが示された。 本菌は嫌気性条件下で球状体となる。この機構を明らかにするため、シグマ因子を解析した結果、rpoSは存在せず、rpoDの発現は対数増殖期と静止期で同じであった。ウレアーゼ欠損株は、嫌気条件と低浸透圧環境下で野性株に比べて生存性が低下していることが示された。 ワクシニア重感染モデルを用いて、本菌の持続感染により抗原特異的cytotoxic T cellの誘導が低下するため、ウイルス排除能が低下することが示された。
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