研究課題/領域番号 |
08457094
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ウイルス学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
斉藤 泉 (斎藤 泉) 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (70158913)
|
研究期間 (年度) |
1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
1996年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
|
キーワード | アデノウイルスベクター / Cre / loxP / 遺伝子治療 / 1oxP |
研究概要 |
非増殖アデノウイルスベクターは米国において遺伝子治療に用いられているが、CTL誘導による炎症等の副作用や発現細胞が免疫的に除去されるため発現持続が短縮するなどの問題が指摘されている。この原因としてアデノウイルスベクターのもつE2A遺伝子の微量発現が考えられているが、この遺伝子はベクターを293細胞で増殖させる場合に必須の遺伝子である。もしウイルスの増殖に必須の遺伝子を除去したウイルスを調製できれば問題の解決となり得る。この観点から、ウイルスゲノム上のE2A/L3領域を特異的に欠失した組換えウイルスを調製する方法の開発を試みた。本法には部位特異的組換え酵素Creを利用した。この酵素は34塩基の特異的標的配列loxPを認識し、2つのloxP配列間のDNAを環状に切り出して除去する作用を持つ。まずE2A/L3領域の両側にそれぞれloxP配列を組み込んだ標的ウイルスを作製した。この挿入部位のうちE2A遺伝子側はこれまで記載のない新しい挿入部位である。この標的ウイルスをCre発現ウイルスとともに293細胞に同時感染させることにより、発現したCre酵素が標的ウイルスのE2A/L3領域を特異的に切り出し、E2A/L3領域欠失ウイルスを生成させることに成功した。この欠失ウイルスはサイズが小さくなるため、Cre発現ウイルスや除去前の標的ウイルスとは塩化セシウムの密度勾配遠心により分離することが可能である。本法の開発により、CTLの原因となり得るE2A遺伝子を欠失したアデノウイルスベクターを開発する新たな方法が確立された。またこの方法は、あらゆるDNAウイルスの任意の必須遺伝子を除去したウイルスを作製できる一般的方法としても有用であると考えられる。
|