研究課題/領域番号 |
08457095
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
栗林 景容 三重大学, 医学部, 教授 (10064578)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
1997年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1996年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | ウイルス / ワクチン / ヘルパーT細胞 / ペプチド抗原 / CTL / Fas / パ-フォリン / ウィルス感染 / T細胞エピトープ / Th細胞 / 細胞傷害 / Fas-FasL / ウイルス感染防御 |
研究概要 |
フレンドウイルス(FV)誘発白血病細胞FBL-3は同系マウスにエフェクターT細胞を誘導し拒絶される。誘導エフェクター細胞クローンを用いた研究から、我々はヘルパーT細胞(Th)が認識するエピトープを2種(fn:I-A^b結合型、i:I-E^b結合型)、CTLエピトープ(S9:H-2D^b)を1種同定した。ヘルパーエピトープの合成ペプチドiを用いた免疫によりフレンドウイルス感染感受性マウスであるCB6F1は完全に抵抗性を示した。また、ペプチドiとS9のキメラペプチドはS9単独よりも効率よくCTLを誘導した。一方、ペプチドfnのフレンドウイルス感染に抵抗性を誘導する能力はiに比較し弱かった。興味あることは、これらのヘルパーT細胞はヘルパーT細胞活性としてのサイトカイン産生のみならず、MHCクラスIIを発現している標的細胞に対し、直接細胞傷害活性を示すことである。この細胞傷害活性はペプチド特異的であるが、ペプチドのTCR接触残基・MHC結合残基をアラニンに置換したとき通常Th細胞の細胞増殖反応は消失または減弱するのに対し、細胞傷害活性では両残基のうちいずれかの一つの置換では活性に変化は見られなかった。即ち、細胞傷害活性における抗原認識は細胞増殖反応におけるそれに比較しより厳密性を欠くものであることを示している。この結果は、Th細胞はサイトカイン産生と細胞傷害活性の2種の機能を持つことを意味し、ウイルス感染においても生体内で細胞傷害活性が重要な意味を持つ可能性を示唆している。また、Thによる細胞傷害は従来報告されているFas-FasLを介するもの以外に、パ-フォリンを介する経路、あるいは両者を介する三経路があることを明らかにした。
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