研究課題/領域番号 |
08457105
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中嶋 弘一 大阪大学, 医学部, 助教授 (00227787)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | IL-6 / JAK / STAT / Ras / MAPキナーゼ / 増殖・分化 / stat3遺伝子 / CDKインヒビターp19^<INK4D> / IL-6応答領域 / gp130 / STAT3 / H7-感受性キナーゼ / 増殖・分化・生存 / Stat3 / Jakキナーゼ / SHP-2 / Ras伝達路 / Stat5 / CDKインヒビター |
研究概要 |
1)IL-6シグナルを生成するgp130分子の機能ドメイン解析および優性抑制型STAT3を用いた解析により、それぞれのシグナルの役割を明らかにした。IL-6によりマクロファージに分化する細胞株M1においては、STAT3活性が、増殖停止、分化、c-myc発現抑制、junB発現誘導などの応答に関与するばかりでなく、STAT3活性がgp130第2チロシン残基を含む領域(Y2)由来の向増殖シグナルを負に制御することを示した。IL-3依存性細胞株BAF3のgp130シグナルによる細胞増殖に、Y2シグナルとSTAT3がともに必須であり、Y2シグナルが細胞周期進行に作用し、STAT3由来シグナルがアポトーシスを阻害することを示した。また東京大学、福井、伊原らと、NGF前処理したPC12細胞が、IL-6に応答して神経突起伸長する際には、Ras/MAPK伝達路が重要であり、STAT3活性は抑制的に作用すること、NGF前処理によりIL-6によるSTAT3チロシンリン酸化が抑制されることを示した。2)M1細胞において、CDKインヒビターp19INK4DがSTAT3依存性に長時間にわたり誘導されること、Stat3遺伝子そのものが、STAT3を通じてIL-6により長時間活性化されること、Stat3遺伝子プロモーター解析から、Stat3遺伝子がSTAT3とCRE結合蛋白との複合体により活性化されることを示した。Stat3の自己活性化ループが、M1細胞での持続的STAT3活性化に関与すると考えられた。3)STAT5がgp130のチロシンの有無にかかわらず活性化される際には、Jak1 JH2-STAT5の直接の相互作用が重要であることを示した。4)米田らとSTAT1の核移行に、Ran-GTPが用いられていること,さらにSTATの核移行に関与する分子群を同定した。5)STAT3C末727Sをリン酸化するキナーゼに、Erk1/Erk2と阻害剤H7に感受性のあるキナーゼの二つがあること、特に後者は、低濃度IL-6による生理作用に重要であると考えられた。このキナーゼ同定のための作業を継続している。
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