研究課題/領域番号 |
08457115
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
住野 公昭 神戸大学, 医学部, 教授 (90030832)
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研究分担者 |
李 明鎭 神戸大学, 医学部, 助手 (20273766)
西尾 久英 神戸大学, 医学部, 助教授 (80189258)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
1997年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1996年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
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キーワード | 化学物質 / 紫外線 / クロロホルム / 遺伝子転写産物 / 内因性レトロウイルス関連遺伝子 / ADAMTS-1 / トリハロメタン / トロンボスポンジン / げっ歯類C型レトロウイルス / 発癌 |
研究概要 |
我々は、化学物質・紫外線による傷害の防御、増悪を支配する組織・細胞反応機構の解明を目指して、クロロホルム曝露時の腎臓、肝臓、大脳の遺伝子転写産物について研究を行なった。マウスに、クロロホルムを腹腔内投与した後3、6時間で屠殺し、各臓器よりRNAを抽出し、RT-PCRを利用してRNAのフィンガープリントを得た(Differential display法)。クロロホルムに曝露された腎臓、曝露されなかった腎臓のRNAのフィンガープリントを経時的に比較検討したところ、クロロホルムによって誘導される2種類の遺伝子転写産物を得た。この誘導された遺伝子転写産物の塩基配列を調べたところ、トロンボスポンジン配列を有するADAMTS-1遺伝子(以下A遺伝子)と内因性レトロウイルス関連遺伝子(以下R遺伝子)産物の塩基配列の一部と同一であった。そこでA、R遺伝子の塩基配列情報に基づいてプライマーを作成し、クロロホルム曝露後の各臓器を用いて定量的RT-PCRを行なったところ、A、R遺伝子産物はともに腎臓でのみ増加を示し、肝臓、大脳では変動しなかった。これらのことは、クロロホルム曝露後の生体反応が組織特異的な側面を有することを示唆している。A遺伝子の発現にはサイトカインが関与していることが報告されており、クロロホルム曝露後の生体反応がサイトカインを介する反応を含んでいることも示唆される。またクロロホルムにより肝臓ではR遺伝子が活性化しなかったのは、四塩化炭素によって肝臓でR遺伝子が活性化するという従来の報告と対照的で、興味深い。
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